霞沢岳西尾根

  • 期間 2023-12-29~2023-12-30
  • メンバー L田中(35期)、小林英(25期)
  • 記録 小林英

これまでに敗退を繰り返してきた霞沢岳西尾根(2020/12/30~12/312021/4/16~4/17)だが、今回は条件が良く、ようやく登頂できた。

■12/29(金)
松本から中の湯までバス利用。釜トンネル入口で登山届を提出し、朝方に7人パーティが入ったと聞く。12時半に出発。予報通りに晴れて暖かく、気温は+1℃。釜トンネル、上高地トンネルとも内部は照明されており自前のランプは不要、路面は乾いていた。
砂防工事事務所への道を入るとようやく雪が積もっているが、しっかりと踏まれている。トレースに従い、急斜面のササをかき分けて尾根に上がる。尾根に取り付く
最初のうちこそ緩やかな箇所もあるが、西尾根は基本的に結構な傾斜でザックの重さが堪える。その等高線が一段と密になった1780mでアイゼンを装着。前々回(2020年)に泊まった1840m地点を通過し、木を掴んで身体を持ち上げるような急斜面をこなすと傾斜が緩んだ。
15時半、1920m付近でトレース脇の雪面を均してテント設営。雪が柔らかく整地してもやや傾いでいるが、寝るには差し支えない。無風で静かな夜だった。
C1

■12/30(土)
起床時にテント内が凍結していない。年末とは思えない暖かさだ。
ハーネス、ヘルメットを装着、50mロープを持つ。ワカンは不要かもしれないが、先行パーティとラッセル交替するかもしれないのでザックに入れた。明るくなるのを待ち、6:50に行動開始。
2000m手前に先行パーティのテント2張を見て、2050mまで急登。その後等高線の間隔はほぼ一定になるが、実地の感覚では相変わらずキツい登りだ。
8時、2200mを超えて気温-5℃。さらに上がると乗鞍岳方面の視界が開け、今年3月にアカンダナ山を巻き下りて未完に終わったルート(⇒ 3/18~3/21 焼岳~白谷山)も見える(写真右の白い三角が白谷山、そこから中央の安房山に繋がるコブがアカンダナ山)。乗鞍岳方面
やがて前方に見えてきた岩峰はK1ピークか?・・・と思っていると、2500m付近でナイフリッジとなる。ナイフリッジ
トレースに従ってリッジ側面を通過すると、先ほどの岩峰こそ西尾根の核心となる岩場(2530m)だった。基部に7人パーティがいる。
核心部の岩場
追いついて挨拶を交わすと、彼ら彼女らは関西からとのこと(テントに「蛍雪」と大書してあったので、おそらく関西蛍雪山岳会)。人数の少ないこちらが核心部を先行させてもらう。フィックスロープが3本も張ってあったので、その1本にプルージックを掛けて登った。岩が露出し適度に手掛り足掛かりがあって難しくなかったが、そこは雪や氷の状態次第だろう。
核心部(上から)

(帰路、核心部を下りるところ)

ロープの末端まで登り切ると、ふたたび細いリッジにトレースが続く。振り返れば、焼岳をバックに7人パーティが核心を登っている。
核心部を振り返る
広くなった尾根を、いよいよ山頂へ。
山頂へ
細長い山頂の南端に乗り上げ、山頂標の立つ北端に移動。9:45、霞沢岳(2645.8m)に登頂した。霞沢岳登頂
山頂からは眺望が素晴らしい。やや風が強いものの、気温は+1℃。天候と言い雪の量・状態と言い、つくづく今回は条件に恵まれた。やがて到着した7人パーティはK1ピークまで行くとのこと。霞沢岳からの眺望霞沢岳からの眺望(山名)

7人パーティと写真を撮りあってから下山開始。
核心部の下りはフィックスロープを使って半マスト懸垂(バックアップ付き)にしたが、ロープを掴めばほとんど歩いて下りられた。用意した自前ロープの出番は無し。
12時にテントに帰着。計画ではここにもう一泊して下山なのだが、明日は雨予報のため、余裕があればテントを下へ移そうと考えていた。しかし、この時間ならこのまま下山できるとテント撤収して急ぐと、中の湯14:30のバスに間に合った。
松本の駅ビルにて、宿題(西尾根)を片付けた祝杯を挙げた。

<行程>
12/29 釜トンネル入口12:30~砂防工事事務所13:20~西尾根1920m付近(C1)15:30
12/30 C1 6:50~核心部岩場(2530m)8:20~霞沢岳9:45-10:00~C1 12:00-12:40~砂防工事事務所13:30~釜トンネル入口14:10

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