八ヶ岳・東天狗岳、硫黄岳

  • 期間 2022-01-05~2022-01-06
  • メンバー 高橋(41期)
  • 記録 高橋

■1/5(水) 稲子湯~東天狗岳~黒百合平
自宅を車で出発し関越道、上信越道、中部横断道を利用し八千穂高原ICで降りて一般道に出る。そこからほどなく稲子湯旅館に到着。平日なので登山者の駐車場利用は私だけである。
時刻は8:00、外気温はなんと氷点下16度!駐車場代を支払い雪山装備に着替え出発。林道を4回程横断し本格的な登山道に入る。
積雪は20~50cm程度。例年よりもだいぶ多いように感じる。樹幹越に日差しがあたり美しい。
林に日差し
コマドリ沢の広場から上では、例年、登山道ところどころに凍結箇所があるが、今年は雪が多く見当たらず歩きやすい。
ミドリ池に到着し、ようやく休憩する。正面に目をやると天狗岳がそびえている。風は弱く空は快晴の「八ヶ岳ブルー」である。
天狗岳
       天狗岳
ここまですれ違った登山者は1名のみ。
中山峠に向けて出発。昨夜降雪があったようなので中山峠までトレースはないと思っていたが、意外にしっかりした踏み跡が残っていた。ちょっとした急登をいくつか越えて中山峠の取付付近に到着。ここで12爪アイゼンとピッケルを装備した。取付付近に樹木が生えていない開けた場所がある。
中山峠
例年ではところどころ雪がついていないのだが、今日はべったりとついている。そこを直登してから再度樹林帯に入る。次に足場の悪い箇所を通過するのだが、雪が多いためしっかり踏み固められたルートが形成されていた。また、峠直下の岩を越えていく箇所も階段状になっており、とても歩きやすかった。予想通りだがミドリ池から中山峠間では誰ともすれ違うことがなかった。
黒百合平に寄らず、テント装備を背負ったまま東天狗岳を目指す。
東天狗岳
       東天狗岳
中山峠を越えてから風にさらされた。しかし、耐風姿勢をとる程ではなく許容範囲だ。足に疲労を感じるようになったが、遠方に姿を見せる北アルプスの峰々に励まされながら足を止めずに頑張る。山頂付近は例年だと浮石だらけでアイゼン歩行しにくいエリアだが、雪の下となっており歩きやすい。山頂で写真を撮影し黒百合平へ。
東天狗岳山頂から
       東天狗岳山頂から
テント場は私ひとりで貸切。ヒュッテの宿泊客もいないようだった。
今回は軽量化のため、3シーズン用のシュラフにヴィヴィを組み合わせて就寝することを試す。防寒対策として上下ダウンを着込んで寝たが、寒くて上下のアウターを追加した。

■1/6(木) 黒百合平~東天狗岳~硫黄岳~本沢温泉~ミドリ池~稲子湯
4:30に起床。湯を沸かしアルファ米に注ぐ。出来上がりを待つ間にシュラフを片付け着替えを済ませる。しかし、ヴィヴィからシュラフを取り出したら、ビックリ!シュラフがびっしょり濡れており、ヴィヴィとの間から雪がどっさり出てきた。恐らく自分自身から出た水分がこもって凍ってしまったのだろう。その証拠にテント内壁は全く凍っていない。重くはなるがヴィヴィではなくシュラフカバーと組み合わせるべきだった。2泊以上の行程だったら地獄だった。
食事を済ませテントを撤収し出発。東天狗岳には雲がかかっており、風が吹いている。大岩がゴロゴロしている箇所を通過し傾斜が本格的になる手前でアイゼンを装着した。朝の日差しを受けてなのか、硫黄岳の中腹付近から雲が湧き出している。
雲が湧く
東天狗岳の核心部である天狗の鼻手前の登りも雪が多く、例年に比べなだらかになっていた。天狗の頂上を踏み、白砂峠に向かうため下る。昨晩少し降ったのか天狗から先はトレースはほぼなく、ステップに雪がたまりスカート状になっていたので、注意しながら足を置いた。
東天狗岳を振り返る
       東天狗岳を振り返る
白砂峠は相変わらず強風だったが、根石山荘付近が最も風が強く、片足を上げた際にバランスを崩すほどだった。夏沢峠に到着して休憩する。黒百合平から歩き通したのでだいぶ疲れてしまった。黒百合平から夏沢峠間では1人の登山者とすれ違った。
上部の風の具合が心配だったが気を取り直して硫黄岳山頂を目指す。あまり行動食を摂っていないせいか足が重い。そろそろケルンが出てくるはずだが...なかなか最初のケルンが見当たらない。ケルンに雪がついているので大岩と見誤っていたようだ。遠方からでは見分けがつかなかった。標高があがるにつれて降雪が本格的になり、いよいよ山頂付近は雲に覆われて白い世界になっており、見通しがきかない。少し不安だが、降雪量と風の強さからして登れるだろうと判断したその頃、3名が下山してきた。
視界悪し
ケルンも連続してきたので、あとひと登りである。道を見失うことなく無事に硫黄岳山頂に到着。
硫黄山頂
写真を撮ってすぐに下山方向のケルンを確認。コンパスのホイールをケルンに合わせて下山開始。視界は悪くなるばかりで自分の足下も見えにくい。時折立ち止まり足下をよく確認しながら降りていく。爆裂火口付近の登山コースには緑ロープがよく整備されており、誤って火口側の雪庇に接近するようなことはなかった。樹林帯付近まで下りてきた頃には風も弱くなり、行動しやすくなったが、時折ルートを見失い、股下までのラッセルになることも。そうこうしているうちに夏沢峠に到着。本沢温泉に向かい足を進める。本沢温泉の石楠花の湯は今年は営業しているようだった(2021年に通過した際は休業だったと記憶している)。日帰り入浴したいところではあるが、行動食を摂ってすぐに出発。やはり行動食を摂るタイミングや量が少ないのかだいぶ疲労している。長い平坦なルートを歩きミドリ池に到着。昨日、しらびその小屋番さんは下山した様子だったが、本日は煙突から煙が出ておりなんだか暖かさを感じてしまう。
しらびそ小屋
休憩後に稲子湯に向かって最後の歩行。無事に下山できた。

■最後に
今回は以下のテーマを持って登山した結果、何度も歩いたコースではあるがとても有意義な山行になった。
①軽量化を図る(冬用シュラフを持参しない。夕飯朝食は質素に)→問題なし
②3シーズンシュラフとヴィヴィの組み合わせで寝る→寒さに対応できたがヴィヴィではなくシュラフカバーでないとダメ
③なるべく休憩をとらない(2時間に1回程度)→行動食の摂取量、回数が少ないせいかだいぶ疲労してしまった
④初日はテント装備のまま東天狗岳を登る(足慣らし・トレーニング)

<行程>
1/5 稲子湯8:00~ミドリ池10:00~中山峠12:00~東天狗岳13:30~黒百合平14:30
1/6 黒百合平5:30~東天狗岳7:40~根石岳8:10~夏沢峠8:50~硫黄岳10:15~夏沢峠11:00~本沢温泉11:50~ミドリ池13:20~稲子湯14:20

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