八ヶ岳・日ノ岳中山尾根

  • 期間 2018-09-23
  • メンバー L田中(35期)、保岡(32期)
  • 記録 田中

先週の三連休は雨だったので今週は期待が高まる。前日の土曜日は雨模様なので日曜日に賭けたのが大当たり。終始晴天に恵まれた山行となった。中山尾根のルートはほぼ完ぺきにトレースしたが最後ピークに上がるところで30mくらい南のピークに出てしまい、おまけの1ピッチ追加となった。翌日、アルコール性高山病症状に襲われつつも石尊稜の偵察をし、下山路で高校登山部の連中を走って追い越して意気揚々と連休最終日の中央道の渋滞にはまった。例の小仏峠のやつ。
今回のトピックは高校登山部が多かったこと。県立船橋は40名のパーティーで行者のテン場でスパゲッティを茹でていた。下山中にすれ違ったパーティは12名の集団でうち女性が5名。登山ブーム到来か(喜)

■9/22(土)曇り
前夜発で20時に相棒・保岡さんの豪邸にお迎えに上がる。なんとなく酒臭いのはご愛嬌として首都高、中央道を経て小淵沢ICから下道に。ガラガラの道路を突き進み、八ヶ岳山荘前へ。ここからやまのこ村まではダートなので緊張が走る。車腹をすらないようにゆっくり道の凹凸を避けながら進む。駐車場が空いてますように。
幸運にも1台分のスペースがあってすんなり駐車できた。これであのつらい林道を歩かなくていいと思うとうれしくて思わずビールで乾杯。24時10分就寝。

■9/23(日)晴れ
6時起床、コンビニ弁当を食べて7時出発。北沢を2時間で赤岳鉱泉。余裕のトレッキングだが重荷が肩にのしかかる。今回の夕餉は行者小屋のおでんにつられた保岡さんの発案で「おでん」にしたので当然日本酒がつきもの。怖い先輩が1L持ってこいとのことだったので念のために焼酎も500ml追加で持ち、重量化した。最近はULブームに乗って25Lザック&ビビで軽量化の極みを実現していたので久しぶりの80Lザック&3~4テン&寝袋&ロープ&ガチャ類&酒はきつい。それでも晴天の北沢は気持ちがよく、すぐに赤岳鉱泉に着き、高速でテントを張ってから中山乗越に向かった。
1.中山乗越
中山乗越

10時10分に中山乗越2,370mをスタート。なんとなく踏み跡がある。尾根が南北に広いので南の斜面よりを登った。上では収束している。急登を詰めていくと北斜面が切れ落ちている個所があり、日ノ岳稜、石尊稜、小同心、大同心が一望できる。そこからすぐにネットでおなじみの下部岩壁取付の印象的な木々が見えてくる。
2.下部岩壁
下部岩壁

○1ピッチ目 Ⅳ 40m
下部岩壁取付の30mくらい手前の樹林帯との境目付近で行動食を食べてから装備を着け、ロープをしごいた。1Pビレイ点までコンテしたのだがロープを運ぶためにガイド巻きしたのが大失敗。岩に取り付いて2ピン目をかけたところでロープがキンクしてしまい、ロープをほぐす間、セミ状態で貼りついていた。気を取り直して登り始めて1P終了点へ。出だしの4ピン目くらいまでは悪かったがそれより上は問題なかった。今回は直登したが積雪期は右に回り込んで岩溝を左上するルートが安全と見た。
3.1P終了点
1P終了点

○2ピッチ目 Ⅲ 20m
2Pビレイ点は二つのペツル。ペツルには9mmくらいのロープスリングがかかっている。全体的にこのルートは太いロープスリングがかかっていた。大岩を直登して上の木でピッチを切った。ここも積雪期は左の草付きの斜面がよさそう。

ここからはコンテでハイマツと草付きの尾根登り。2Pをリードした保岡さんがそのままロープを2本持って歩いたがこれはよくなかった。重量と持ちにくさでバランスが難しくなったので上部岩壁手前でスタカットに切り替えた。
4.上部岩壁
上部岩壁

○3ピッチ目 Ⅳ 30m
核心部。上部岩壁手前の木でビレイ。ルンゼの直登で手足があり、快適。最後がハングしたルンゼでステミングで乗り越えた。ペツルでビレイ。

○4ピッチ目 Ⅲ 40m
ハイマツが付いた岩壁の登り。問題はない。

○5ピッチ目 Ⅲ 40m
ルンゼの階段。大岩を直登してしまったが、右に巻くのが正規ルートだと終了地点のペツルの向きをみて痛感した。そのため、セカンドを引き上げる際にロープが流れず苦労した。

○6ピッチ目 Ⅳ 40m
5.6P

5P終了点から10mくらいトラバースしてから岩壁をよじ登る。ペツルやハーケンが見当たらないので岩角でランナーを取るがすぐ外れそう(実際全部外れていた)。あと3mくらいでピークというところでロープが尽きる。カムでビレイしてビレイヤーにトラバース部分を移動してもらう。やっとピークと思いきや真のピークの30mくらい南に出てしまった。仕方がないのでエクストラピッチ。ナイフリッジをトラバースしてゴール。
6.おまけおまけの1ピッチ

日ノ岳山頂には小さな仏さまの石像があった(合掌)。
7.山頂

○下山
地蔵の頭から地蔵尾根を下降した。地蔵尾根からは中山尾根の全景が美しい。実感以上に険しく見える。
8.中山尾根全景

行者小屋には無数のダンロップV6が!かわいい女の子が自炊しているので聞いてみると県立船橋高校登山部とのこと。40名のパーティ。登山ブーム到来か。先行きが楽しみである。
9.鉱泉でビール
赤岳鉱泉に戻って

<行程>
9/23 赤岳鉱泉9:40~中山乗越10:10-10:50~下部岩壁取付11:20~1P終了点11:50~2P終了点12:20~3P終了点13:00~4P終了点13:30~5P終了点14:00~6P終了点14:30-15:30~日ノ岳15:50~地蔵の頭16:10~赤岳鉱泉17:00(テント泊)

<メンバー所感>
■保岡
時期が9月(無雪期)ということ、天候に恵まれたこともあり有意義な一日でした。核心でも4級-というところかな? 下部岩峰の一手目が一番難しかったのが記憶にあります。

■田中
中山尾根は快適だった。樹林帯の尾根歩き。岩壁のクライミング。山頂の仏さま。ベルクハイル!

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