裏妙義・風穴尾根

  • 期間 2021-11-07
  • メンバー L保岡(32期)、松本(17期)、木村広(27期)、田中(35期)
  • 記録 田中

風穴尾根は厳しかった。
岩の痩せ尾根であり、溶岩が凝固した岩質で見た目はしっかりしたホールドでも「ポロリ」と取れてしまうので安心できない。ピークは鋭い尖塔でアンカーがなく、ナチュラルプロテクションになりそうなリスや岩角もない。登りも下りもフリーでこなさなければならない、などなど。結果、P1(鶴峯山)、P2、P3、P4、P8を踏んで、それ以外は巻いた。P9から先の尾根道をよじ登って風穴尾根の頭に出た。

■11/6(土) 晴れ
食料を買い込んで17:30に東京を出発し、20:00頃に旧国民宿舎裏妙義の駐車場に到着した。20台くらい駐車できそうな立派な駐車場である。3台先行者がいてテントを張っている人や駐車場にごろ寝している人がいた。ワイルド。
明日の作戦会議はビール500ml×3と日本酒1升が蒸発した時点で終了し、23:00頃に就寝。ここまでは山とは関係ない話であり蛇足なのだが、家を出てから家に戻るまでが山行であるし、意外に後から読んだ人の参考になるため、敢えて記した。

■11/7(日) 晴れ
6:00に木村さんが現れ、6:30に予定通りスタートした。国民宿舎の前の林道を西に辿り、P1基部への支尾根に向かう。
旧国民宿舎

高度にして100m程はなだらかな稜線を辿り、高度600m辺りから急登が始まる。露出した岩を巻きながら上がる。
急登アプローチ
高度800m付近でP1基部に到達し、壁に沿って北向きにトラバースする。
P1基部
   P1基部
深い谷のトラバースが一箇所あり、慎重に足元を定める。P1基部より20分程トラバースすると壁が途切れ、顕著なルンゼが現れる。
P1ルンゼ
   P1ルンゼ
浮石に気を付けてルンゼをよじ登るとP1とジャンダルムとのコルに出る。ジャンダルムの往復は時間がかかりそうなのでパスし、P1に向けて藪岩をルートファインディングしながら、やや左寄りに登れそうなラインを取る。木登りになり、強引にP1頂上を踏んだ。頂上は狭く、樹林の中なので展望はイマイチ。方向を北西に変え、20mくらい尾根に沿って下ると樹林帯が切れて岩がむき出しになり、眼前に岩峰が迫る。P2だ。
どこから登るのだろう。P1の時もそうであったが「ここしかない」という弱点があり、P2にも岩を回り込む「へつり」があった。P2からP3は鋭く切れたアリの戸渡でつながっており、P3も踏むことができた。P3から懸垂下降でP3-4コルへ下りた。
懸垂下降
P3から見るP4は切り立っており「登れるのか」という感じだ。しかしよくあるように、P3から懸垂下降でP3-4コルに着くと先ほど見たよりは立っていない。また、ルートファインディングの結果、ほぼ尾根伝いに(やや右方向にもルートが取れそうだが)立木のあるルンゼがあり、比較的容易にP4を踏むことができた。
P4
   P4
P4から滑り台のようなザレ場を下って、P5は南側から自然に巻いてしまった。
P5-P6
   P5-P6
P5とP6のコルに風穴があり、風穴の基部に下りるにはそのまま南側を巻くよりも一旦尾根を跨いで北側から巻き下ると容易だ。風穴は大きな穴というより尾根に架かった橋脚のようだ。
風穴
風穴からは南側のザレ斜面を壁に沿って下り気味にトラバースする。ザレザレの下りで思わず尻セードになってしまう。P6とP7は巻きとなり、P7-8のコルに達すると思われるルンゼが現れる。このルンゼを30~40mは登るだろうか。
P7
   P7
ルンゼはチムニーのようでもあり、急登で息が切れるが快適に登れる。コルは非常に狭く、このコルから少し上がったところがP8。
P8から尾根通しに進む際、その先懸垂になりそうな立木に4人溜まるのは厳しいだろうと判断、少し戻ってP8北面の薮を漕ぎ、更にP9も北面を巻いた。
P9をバックに尾根で一休みしてから200mくらい詰めて風穴尾根の頭に到着。無事一般道に出た。
風穴尾根の頭
   風穴尾根の頭

<行程>
旧国民宿舎6:30~P1 8:30~P9西側尾根10:30~風穴尾根の頭11:15~旧国民宿舎13:00

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