権現沢左俣/南八ヶ岳・地獄谷

  • 期間 2018-04-07~2018-04-09
  • メンバー L木村広(27期)、SL二見(27期)
  • 記録 木村広
 今回、私たちは権現沢左俣にアルパインアイスクライミングに行って来ました。時間の都合でビバークすることになりましたが、無事下山することが出来ました。


■4/7
 JR長坂駅に集合し、マイカーで美し森観光案内所に向かいます。

01 美し森観光案内駐車場
駐車場は閑散としています。ここから林道を通って出合小屋へ向かいます。林道から権現岳を見ると、前日までの陽気の為か、山肌には雪はほとんど無く、落ちるものは落ちて谷は安定しているように見えます。 03 出合小屋
出合小屋の様子です。僅かに雪が降り始めます。ここに荷物を置いて、権現沢左俣の第一ゴルジュまで偵察に行きます。 04 権現沢左俣第1ゴルジュ
第一ゴルジュの様子です。 ■4/8  早朝、出合小屋を出発します。新雪が2~3cmほど積もっています。雪が降ったり止んだりします。 07 権現沢左俣第1ゴルジュ
第一ゴルジュの様子です。腕時計の高度計は1990mを指し示しています。 09 8m滝
8m滝の様子です。左岸を高巻きます。 10 展望台の滝
展望台の滝の様子です。腕時計の高度計は2105mを指し示しています。 12 三俣
三俣の様子です。ここで気温はマイナス9℃ほどです。 13 左方ルンゼ
三俣の左方ルンゼの様子です。左方ルンゼ大滝は氷がほとんどありません。この左方ルンゼを左に分けて、本谷に進みます。 14 権現沢左俣大滝
権現沢左俣大滝の様子です。腕時計の高度計は2290mを指し示しています。左の滑らかに見える部分を直登します。氷は空洞が多く、強度が無くて脆く、とても困難な状態です。氷の下からは水が流れる音が聞こえます。50mロープをほぼ一杯まで伸ばして立木でビレイポイントを設定します。ここからさらに雪壁を登り、50mロープをほぼ一杯まで伸ばして潅木でビレイポイントを設定します。ここで沢は二俣になり、右俣左岸の適当なルンゼ状から尾根に登ります。尾根を詰めて緩傾斜帯までいくと眼前にバットレスが現れます。 16 権現バットレス
バットレスの様子です。バットレスは左のリッジを直登することになります。緩傾斜帯から北方を見ると尾根を一つ挟んで権現岳東稜が見えます。ここから東稜に向かってトラバースしていきます。 17 バットレス手前のナイフエッジ
バットレス手前のナイフエッジの様子です。雪がありません。ここは右の側面を進みます。ナイフエッジ手前の潅木を始点に2ピッチでバットレス基部に着きます。ここでカメラの電池が切れます。 バットレスの登攀は次の通りです。※ピッチの切り方は一般的ではないと思われます。 1ピッチ目 幹周り70cmほどの立派な針葉樹を始点に、ほぼ水平方向に狭いバンドを数メートルほど左へトラバースしていきます。岩壁の雪を払い除きながら進みますが、残置支点は見当たりません。ホールドも乏しくバンドは雪で隠れているため、とても緊張します。リッジに出ると残置支点があります。ここからリッジを直上していきます。雪を払い除きながらホールドを探して登ります。50mロープをほぼ一杯まで伸ばして潅木でビレイポイントを設定します。このピッチがバットレスの核心部です。 2ピッチ目 5mほど上の広いテラスの立木まで登ります。簡単な岩場です。 3ピッチ目 50mロープをほぼ一杯まで伸ばして潅木でビレイポイントを設定します。このピッチは傾斜の緩い簡単な草付きです。 ここから一般登山道まで尾根を詰めていきます。一般登山道に出ると強い風雪となります。時間の都合で権現小屋周辺でビバークします。 ■4/9  ビバークポイントから権現岳山頂を経由して三つ頭を目指して南下していきます。三つ頭から北へ少し引き返し、川俣尾根を下降して出合小屋のすぐ近くに降り立ちます。出合小屋でデポした荷物を回収し、美し森観光案内所へ向かいます。 【時間の経過】 4/7 長坂駅(11:10)=美し森観光案内所(11:45/12:10)~出合小屋(15:15) 4/8 出合小屋(4:55)~第一ゴルジュ(5:50)~大滝(7:30)~権現岳東稜~ナイフエッジ(13:40)~バットレス~一般登山道(20:30)~権現小屋周辺(20:40)(ビバーク) 4/9 ビバークポイント(9:00)~権現岳~三つ頭(11:00)~川俣尾根~出合小屋(14:20/15:10)~美し森観光案内所(18:40) 【感想】 ■木村  今回は時間の経過が予測と大きく異なってしまい、バットレスの3ピッチ目を登る頃には、ヘッドランプが必要になってしまいました。大滝登攀後にパートナーから撤退要請を受けましたが、まだ時間が早く、残りの行程を考えても問題ないものと思い、ナイフエッジ手前に着いた時には、時間的に十分な余裕があると思ったのですが、結果的にはビバークをすることになってしまいました。バットレスに取り付く時に、撤退を考えましたが、一般登山道に出たほうが安全と判断しました。結論として、大滝を登った後に撤退していたほうが良かったと思います。パートナーには迷惑を掛けました。また、川俣尾根下降時にパートナーが踏み抜きにより左足を痛めてしまい、パートナーには苦労を掛けてしまいました。最近は反省することが多くて、今後山に行くべきかどうか迷うほどです。  今回のルートを登った感想ですが、アイスシーズン終了ぎりぎりで遡行したため、氷の登攀は残念ながら大滝のみとなりましたが、大滝登攀後の詰めの部分がアルパインアイスルートらしい充実した内容だと思います。技術的に困難な場所はあまりありませんでしたが、色々な要素があり、登山者を飽きさせない内容だと思います。幸運にも出合小屋から山頂まで日差しがほとんど無く、気温は常にマイナス9℃ほどで、雪や岩が安定していて、精神的な負担が少なくて済みました。  装備について。大滝登攀では持参したアイススクリュー5本を全て使いました。バットレスでは持参したアルパインクイックドロー6本を全て使いました。持参したロープはハーフロープ50m×2本です。スペクター1本と軟鉄ハーケン2本も持参しましたが、使いませんでした。

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