信州峠~小川山~瑞牆山

  • 期間 2025-11-13~2025-11-14
  • メンバー L小林英(25期)、田中(35期)
  • 記録 小林英

信州峠から小川山、瑞牆山へと長野-山梨県境を辿るルートはヤマレコから見つけて、以前からマークしていた。ただし早朝発日帰りのヤマレコに対して、今回は山中一泊、後半は瑞牆山荘を経由せず信州峠に近い北寄りの黒森コースで計画。紅葉目当ての気楽な山行のつもりだったが、ヤマレコから予想したよりも困難な箇所があり、大いに堪能できた。

■11/13(木)
クルマで信州峠へ。明るい曇りの下、10:45に出発。
小川山方向への目印は無いが、県境標識の位置から笹の急斜面についた踏み分けを登ると、皆が手を掛けるのか手前に傾いている「信州峠」の碑があった。信州峠からの登り口
落葉を敷き詰めた樹林帯に、なるべく県境の標石を追う。足元に岩の出てきた斜面の先が、昭文社山と高原地図(手持ちは「金峰山・甲武信」2022年版。以下「地図」と表記)にある「石ッコツ」(1640m)。面白い地名だが、現地を見るとなるほどという印象だ。石ッコツ
ピークから続く岩を乗り越えていくと、方向違いで北尾根に入り込んでしまった。引き返して南東向きの笹尾根に乗り、1605mから東へ。明瞭な目印の無い広い斜面を適当に下り、北の高登谷山(たかとやさん)登山口方向への道を跨いで登りにかかる。
1657.7m三角点を過ぎた1730m小ピークが「フシノソリ」のようだ。ここには地形図に無い三角点標石あり。樹幹に「山梨県境一周記念 1968年」のプレートが付いているが、57年前のものとはやや信じがたい。フシノソリ
林道末端の来ている鞍部が「萱ダワ」。ここから登っていく道形も見えるが、コンパスと赤テープに導かれて尾根を辿る。すると、シャクナゲが出てきて尾根も狭まってきた。シャクナゲを押し分け、行く手を阻む岩は乗り越えるのか巻くのか、人の通った跡を探しながら進む。藪岩藪岩
上掲ヤマレコ記録にはこの辺で「岩場を迂回する時に沢の近くを通る」とあり、そこで水を取るつもりでいた。ところが悪戦苦闘しつつ高度を上げていくと、水の気配の無いまま1915mに登りついてしまった。手持ちの水は心細いが、今日はそれほど汗をかいていないし、炊事で節約すれば明日も何とかなるだろう。
1915mの先にもまだシャクナゲ帯があり、踏み跡に引き込まれて県境尾根を外しかけたりもして、16:20に松ネッコ(2110m)に到着した。松ネッコ
松ネッコから南東に下った緩斜面に泊まれる見込みで来たが、薄暗くなる中、樹林の間にこれといったスペースは見当たらない。踏み跡が多少広くなっている箇所を見繕い、各々のソロテントを少し離れて設営した。

■11/14(金)
今日はまず松ネッコに戻り、その北の「大双里」を踏んでおく。ザックを担いで出発。松ネッコからテントまでの短い区間さえ明瞭とは言い難く、荷物をデポしたら見失いかねない。
松ネッコにザックを置いて2102.4m三角点まで往復する途中で東の空が明るくなった。今日はまったくの上天気だ。
6:20、松ネッコからあらためて出発。まだ藪もあるが、昨日に比べれば楽なものだ。小川山に近づくと、風化作用が削り残したような大岩の堆積が現れる。小川山手前の大岩
最後の登りでまたシャクナゲに突っ込み、8時半、小川山(2418.4m)に登頂した。小川山
小川山から県境線を辿って南下する道は地図の破線ルートであるが、指導標に乏しいだけで十分に歩きやすい。瑞牆山東尾根と接続する箇所を見逃さないよう注意していたが、まだ新しい「みずがき山へ」の木札が付いていた。古い「至ル小川山 至ル大日岩」の札も地面に置かれている。瑞牆山東尾根入口
地図には道の無い東尾根であるが、踏み跡と要所には赤テープが付いている。しかし一部不明瞭で、ルートを探す場面もあった。地形図で2213mを過ぎた岩崖マーク付近にはダイダラボッチの達磨落しかと思うような大岩。岩を巻いていく足元にも岩の隙間の深い穴があり要注意。ダイダラボッチの達磨落し?
鞍部を経て、次の岩崖マークは北側をトラバースして通過する。が、左手へ少し登るように付いた赤テープがあり、行ってみると樹林から出て南側の展望が開けた。瑞牆山東尾根の展望地から瑞牆山東尾根の展望地から
トラバースルートに戻ってさらに奇岩を見ながら進むと、熊鈴が聞こえて一般ルートに合流した。こちらには不用意に東尾根に入り込まないようロープが張られているが、入口と同じ人の手になるのであろう「小川山へ」の木札あり。瑞牆山東尾根出口
巨岩に掛かったハシゴを登り、11:15、瑞牆山(2230m)に登頂。岩の上に立ち、しばし絶景を楽しんだ。
瑞牆山頂からの眺望瑞牆山頂からの眺望(GPS軌跡)
上の写真&図で、眼下中央辺りの信州峠から右に回り込んで歩いてきた(図の赤線は今回のGPSトラック。瑞牆山からの下山路も入っている)。バックは八ヶ岳。
瑞牆山頂からの眺望
下山の黒森コースで夫婦岩を過ぎた垂直の岩場にはクライマーが一組取り付いていた。不動滝で休憩。
林道終点は広くなっており、駐車車両もあった。林道を30分程進んで分岐する松平林道は特に荒れているでもなく、信州峠へのルートとして地図に載せても良いと思う。松平林道
15時半、信州峠に帰着。瑞牆山からの下山行程が存外に長かった。

<行程>
11/13 信州峠10:45~石ッコツ11:55~フシノソリ13:30~萱ダワ13:50-14:00~松ネッコ16:20~松ネッコ下(幕営)16:25
11/14 松ネッコ下5:45~松ネッコ5:50~大双里6:05~松ネッコ6:20~小川山8:30-8:40~瑞牆山東尾根分岐9:35~瑞牆山11:15-11:30~不動滝12:30~林道終点13:15~松平林道分岐13:45~信州峠15:30