やってきました烏帽子岩左稜線。季節的にちょっと遅く、早朝は結構冷え込みます。
全行程が18P、16Pまでエスケープがないので、日没が早くなったことも考慮し、速度に劣る八重樫・鹿内ペアは青栁・木村ペアより早くスタート。
金峰山荘から車止めゲートを少し過ぎたあたりで左に行き、渡渉。そのあとは踏み跡を進みケルンを辿っていくと取付きに着きます。
すぐ後から3人の別パーティーがやって来て焦りながら登攀開始。
○1-2P:鹿内リード
北面の壁を登り2Pまで繋げてクラックの下へ。
○3-4P:八重樫リード
位牌岩に登る4P目が核心でした。上部が悪い。脆くて八重樫さんが踏み込んだ岩が剥がれた時は本当に焦りました。後続のパーティーは途中から右に逸れる形で登った様子。
○5P:鹿内リード
岩稜帯歩きですが、高度感があるのでそれなりに気を遣いました。

ふと見ると位牌岩のほうに4Pを上がってきた木村さんが。我々が遅いので大渋滞!
○6P:八重樫リード
ブッシュを登ります。
○7P:鹿内リード
本当は30m登らないといけないが、途中で何故かロープいっぱいと言われた気がして5m程残してピッチを切りました。
○8-9P:八重樫リード
本来の7Pの途中から9P途中まで進みました。9Pは際どいトラバースがあるのですが、そこを回避してその岩の上を登り、懸垂支点でストップ。手も足もない岩なので私には無理、ということで鹿内は正規ルートをトップロープ状態で進みます。メンタルの核心です。手がなにもないように見えるが下にアンダーがあるので姿勢を低くして掴みながら行きました。途中で隣の岩に足を乗せ換える場所が一番の緊張ポイントです。その後八重樫さんが懸垂下降で降りて9P終了。ここが二ノ楯でした。
○10P:八重樫リード
懸垂からダブルロープ仕様に切替え。ロープを捌いた際の上下から、引き続き八重樫さんがリード。途中方向が90度変わるのでナイフリッジのスタートまでふたりで進みます。後続のパーティーはここでロープが流れなくなり難儀していました。ナイフリッジも途中方向が変わるので、後半の岩角でピッチを切りました。景色が綺麗。

○11P:鹿内リード
最後のナイフリッジから少し下ってクラックの下へ。広めのテラスになっていて、やっと一息つけました。後続パーティーに続き木村さんもやってきて、渋滞の様子が伺えます。申し訳ない...
○12P:八重樫リード
本来はクラックを登る箇所ですが、遅い我々は迷いなく迂回路のスラブを選択。青栁さんはクラックを行きました。
この12-13Pが三の楯です。
○13-14P:鹿内リード
懸垂支点まで歩き、その後木を使って懸垂下降。コルに降りたところで15Pの最初にエスケープルートらしきしっかりした懸垂支点を発見しました。時間は15時30分。四ノ楯~五ノ楯まで行くと真っ暗になりそうなこと、また手がかなり疲れていたこともあり、八重樫・鹿内ペアはここで離脱。50mロープ1本で懸垂下降し、踏み跡を辿って下山。ハードなピッチはぜんぶ八重樫さんにやってもらったにも関わらずヘトヘトです。
渡渉点で木村さん青栁さんがやってきて合流し、駐車場に着きました。

なお木村・青栁ペアは16P終わりの五ノ楯前で、前のパーティーが詰まっていたため、取付きを確認してエスケープしてきたとのことです。
とにかく充実感がありました。寒くて今年はもう再チャレンジできませんが、来年最後まで行ってみたいです。
<行程>
廻り目平キャンプ場駐車場5:40~烏帽子岩左稜線取付き6:10~エスケープで懸垂下降17:00~駐車場17:30
※青栁&木村ペアは8:20に1P目スタート、同時刻に下山。
<主な装備>
50mロープ×4、カム各種
<所感>
○木村
見頃を迎えた黄葉の中、マルチピッチのロッククライミングを堪能してきました。岩質は花崗岩のようですが、風化している箇所が多く注意が必要だと思います。
○青栁
これまで取り組んできたジャミングを本ちゃんルートで実践できて自信がつきました。みなさんありがとうございました。
○八重樫
16P手前まで途中撤退ができないルートということもあり、トポ、動画などでかなり予習していきました。が、4P目は正規ルートではなく左側から直登してしまい、残置ハーケンも無く、かなり厳しい登りになって、フォローのシカさんに苦労かけちゃいましたね。ごめんなさい。稜線へ出るとロケーションは最高で紅葉の小川山一帯を横目にクライミングを楽しみました。完登まであと2ピッチでしたが、三ノ楯のコルから降りて終了。次回はワイドクラック、チムニー越えで完登したいですね。






