3年越しバットレス。天候、怪我いろいろな事情でリスケを繰り返していた計画がやっと実現した。
3時に出発して17時に帰営。14時間行動。最後のピッチではアキレス腱が痛くて泣きそうだった。何よりも体力が必要なルートであった。
1.白根御池小屋から第五尾根支稜取付きまで
白根御池小屋から一般道を大樺沢方面に30分トラバースすると「二俣」。ここから大樺沢を遡ること30分。2500m付近で大樺沢登山道から右に外れる踏み跡を登り、D沢を渡渉して第五尾根支稜取付きへの踏み跡を辿る。前日に偵察しておいて良かった。大岩、ケルンなどの目印があり、また、枝が払われて整備されている。先行チームのヘッドランプがちらちら光っている。急登の樹林帯を抜けると2700m付近で前方が開け、バットレス下部壁が現れる。左から「第五尾根支稜」「Dカリー大滝」「十字クラック」「Cガリー大滝」が一望できる。

2.第五尾根支稜1P(Ⅲ/20m) リード:田中
クラックを左上し、カンテに回り込む。回り込むところが濡れていていやらしい。

3.第五尾根支稜2P(Ⅲ/40m) リード:青柳
カンテを灌木を支点にしながら登る。
4.横断バンドテラスへのルンゼ(30m) コンテ
フリーで登る。

5.横断バンド1P(40m) リード:青柳
コンテでも大丈夫。

6.横断バンド2P(20m) リード:田中
同上。
7.ヒドンガリー(Ⅲ/40m) リード:田中
苔むしたスラブ。ハーケンと灌木で支点。左のカンテに回り込んで右上する。最終支点は木の根っこ。そこから踏み跡を辿れば、すぐに第四尾根取付き。
8.第四尾根1P(Ⅳ+/40m) リード:青柳
クラックをハンドジャムで登る。テーピングやクラック用のグローブが必要だったが、田中は素手かつ素人だったので痛かった。クラックを越えると易しいフェースだった。

9.第四尾根2P(Ⅱ/40m) リード:田中
易しいフェース。ここで、先に出発して別ルートを登っていたチームが追い付いてきた。なんとピラミッドフェースを直登してきたそうだ。ぶなの会の若者たちで、後で写真を撮り合いエール交換した。

10.第四尾根3P(Ⅲ/40m) リード:青柳
白い岩のフェース登り。終了点が第一テラス。

11.第四尾根4P(Ⅲ/20m) リード:田中
フェースからカンテへ。短いがだんだん周囲が開けてくるので高度感が半端ない。終了点が第二テラス。
12.第四尾根5P(Ⅴ~Ⅳ/30m) リード:青柳
出だしが核心。つるつるのチャート岩のフェースをカンテに向けてよじ登る。終了点に懸垂支点あり。

13.懸垂降下(20m)
14.第四尾根6P(Ⅳ/30m) リード:青柳
懸垂をした岩との間のクラックからフェースに乗り換え、枯れ木テラスの手前でピッチを切る。

15.第四尾根7P(Ⅲ/10m)リード:田中
枯れ木テラスまでの繋ぎピッチ。ここから城塞ハングへ直角にカーブする。

16.第四尾根8P(Ⅲ+/20m) リード:青柳
アリの戸渡上のリッジをレイバックで掴む。足場がないのでスメアリングで突っ張って横移動し、終了点へ。終了点も足場がないのでハンギングビレイ。横移動中の向かい側は2010年の崩落で絶壁になっていてとても怖い。一か所岩が途切れているところがあり、空間を跨いで乗り移る。ここまで体力を削られているので精神力もアキレス腱ももたない。

17.第四尾根(実際はDガリー)9P(Ⅳ+/40m) リード:青柳
いわゆる「城塞ハング」。ワイドクラックに入りよじ登る。入りすぎるとザックが引っかかってうまくいかないので、体をある程度出し、ステミングでじりじり高度を上げる。

<行程>
白根御池小屋3:00~二俣3:30~大樺沢から第五尾根分岐4:00~バットレス下部岩壁4:50~第五尾根支稜1P下5:15~第五尾根支稜2P上6:30~横断バンド7:20~第四尾根1P下8:40~第四尾根2P下9:20~第四尾根3P10:10~懸垂点11:15~第四尾根6P11:50~枯れ木テラス12:40~第四尾根8P13:00~北岳山頂14:40~白根御池小屋17:00

