雲取山~石尾根

  • 期間 2011-03-26~2011-03-27
  • メンバー L松井(26期)、飯干(26期)、浦野(27期)、成瀬(27期)
  • 記録 松井

■3/26(土)
8:30 奥多摩駅集合。好天に恵まれたが、人出は普段の週末の3分の1といったところか…バス会社の人が「今日は一台で充分だナ」などと話している。35分発の鴨沢西行バスに乗り鴨沢下車。他に6人ほどが下りたが、いずれも軽装、日帰りか小屋泊の登山者のようだ。

身支度を調え9:20出発。小袖乗越を過ぎ登山道に入る。雪はほとんどなく、木々もうっすらと芽吹いていて穏やかな春のハイキングそのもの。林の中のなだらかな山道を1時間程歩き1000m近くに達すると、所々積雪が見られるようになる。

11:30 堂所の標識を過ぎ尾根の西側に出ると広く展望が開け、冷たい風が気持ちよい。七ツ石小屋への道を2本分け、だんだん勾配を増してきた道を登っていくと石尾根と唐松谷林道の交差するブナ坂十字路に出る。一昨日の降雪のためか、このあたりでは20cm程の積雪。休憩後、奥多摩小屋を目指して出発した直後、松井は右足大腿部に違和感を覚え再度休憩。飯干さん、浦野さんには先に奥多摩小屋に向かってもらい、成瀬さんと2人でゆっくり歩みを進めるが時々立っていられないような痛みでしゃがみこみ、その度にマッサージや屈伸運動でなだめながら歩き続ける。

14:00 奥多摩小屋。先着していた2人に続いて尾根から5分強下った所にある水場で水を調達しなければならないが、松井の分は飯干さんにお願いする。つづく小雲取山南面の急坂では右足を上げるのが辛く、かなり時間をとられる。15:40 雲取山避難小屋着。

立派な避難小屋には既に4人ほどの先客があったが我々4人がゆったり荷を解ける充分なスペースがある。持ち寄ったおつまみとアルコールで(成瀬さんは持参したケーキで)宴会開始。話題はどうしても震災のことになるが、GWや夏山の計画についても盛り上がる。ひさしぶりに山の話ができて嬉しい。夕飯は浦野ペミカンカレー。日が暮れ外へ出てみると遠く街の灯が心なしか慎ましく瞬いていて、何だか胸がいっぱいになる。震災以降、だいぶ心が弱っていると感じる。20:00就寝。

■3/27(日)
5:00起床。各自で朝食を済ませ、ザックを置いて山頂を踏む。気持ちのよい晴天で、富士山がくっきり見えている。松井の足の具合によっては往路を下山することにして、6:20下山開始。小雲取の急斜面は思った程凍結してはおらず、そのまま下りる。奥多摩小屋を過ぎ7:20ブナ坂十字路。足は大丈夫そうなので予定通り石尾根への道に進む。

積雪は深いところで膝くらい。途中、これも立派な鷹ノ巣山避難小屋を見学してから急坂を登り10:10鷹ノ巣山頂。水根沢から登ってきたのか?数人のハイカーとで出会う。奥多摩湖の対岸に拡がる山々が美しい。休憩後「さあ、あと半分」と出発。雪もだいぶ少なくなり、明るい日差しの中、水根山、城山の南側捲き道を1時間半進み、六つ石山の北側から分岐点に出る。更に30分程進むと三ノ木戸山手前の分岐標識があり、北側の道をいくが杉林の中の暗い道で自然に早足になってくる。約1時間急斜面を下り林道に出ると小さな消防車が停まっていて消防団の方3人と出会う。無人の小屋でボヤがあったとのこと。

奥多摩駅前の蕎麦屋さんで打ち上げ後15:26のホリデー快速で帰路についた。

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<感想>
震災後、何ともいえない無力感に支配された毎日が続いていたが、事務的連絡でもらったメールの最後に「あーなんだか山の空気、思いっきり吸いたい気分!」という一文があった。それを見た瞬間「山どころじゃないよね…」という気分を「山に行かずにいられない」という気持ちが蹴飛ばした。すぐに 「行こうヨ!」と返信。他のメンバーに声をかけルートを相談し、2日前に計画書を提出して出かけた。鴨沢から登山道に入っていく時、山にこれたことが嬉しくてスキップしたい気分だった。下山してきて、事態は何もかわっていない、というより寧ろ深刻さは増しているが、現実に対処していこうというエネルギーが自分の中に生まれてきているのを感じた。

<行程>
26(土)
鴨沢(9:20)~堂所(11:30)~ブナ坂(13:10)~奥多摩小屋(14:00)~避難小屋(15:40)
27(日)
5:55避難小屋~山頂~6:20避難小屋~ブナ坂7:20~鷹ノ巣山10:10~六ツ石山分岐11:40~林道13:20

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