八ヶ岳・赤岳主稜

  • 期間 2011-02-05~2011-02-06
  • メンバー 浦野(L、27期)、松井(26期)
  • 記録 浦野

2月5日(土)

新宿駅07:00発のSあずさ1号で茅野駅へ。バス(09:35発)で美濃戸口へ。装備を調え,10:20出発。気温が高く,行動中はかなり暑く感じる。14:00,行者小屋着。テント設営後,軽く飲み。19:00頃,就寝。

2月6日(日)

4:45起床。テントの外はまだ真っ暗。星がきれいだ。5:55ヘッデンをつけて出発。隣のテントの4人組は既に出発している(ちなみに主稜狙い,とのこと)。6:45,文三郎道から取り付きへのトラバース地点に到着。目印は,蛍光ピンクの吹き流し(割と小さい)が竹竿の先端にくくりつけてある。先行パーティー(4人組)が取り付きで準備をしているため,しばし,トラバース地点で待機。1月に天候不良で引き返した時はマイナス18℃だったが今回はマイナス6℃。風も余り無くコンディションとしては申し分ないと言える。 先行パーティー(2人+2人)の先行組(のフォロー)が登り始めたため,トラバース開始。事前にネットで読んでいたとおり,部分的に結構嫌らしいが,慎重にトラバース。取り付き点に付き,登攀準備にかかる。

①文三郎道~取付きへの分岐点から
①文三郎道~取付きへの分岐点から
②横岳
②横岳
③取付きの赤い布
③取付きへの赤い布

④取付きCS
④取付きCS

7:45 1ピッチ目 登攀開始(浦野リード)。Ⅳ-。チョックストーンが少し嫌らしいが,残置スリングにA0して突破。岩を抱きかかえるようにして,強引に攀じ登る。しばし進んだ後,右上し(この右曲がりで多少ザイルの流れが悪くなる),少し左に回り込んだところの垂壁でピッチを切る。立派なペツルボルトと残置スリング(しっかりしている)有り。

2ピッチ目(松井リード)。向かって左側のラインを登攀。ピナクルに残置スリングがあるところで,ピッチを切る。
3ピッチ目(浦野リード)。緩斜面であるが念のためスタカットで進む(以下同様)。特に問題はない。

⑤3P
⑤3P

4ピッチ目(松井リード)。結構細い雪稜の緩斜面。特に問題はない。
5ピッチ目(浦野リード)。雪壁をアイゼンの前爪を効かせて登攀するが,(斜度が急になってからは)中間支点を取るところがなく,かなり嫌らしい。自分の中では,このピッチが核心であった。結局,気合いで踏ん張り,雪面から少し出た強固な灌木を支点にしてピッチを切った。前爪を効かせようにも,岩に薄く氷が張り付いてたり,雪が少し柔らかくバイルが効きにくい等,泣きそうだった。後ろから来た男性2人組のトップの方は,一気にリッジまで抜けていた。途中,会話をし心を落ち着かせる。

6ピッチ目(松井リード)。雪壁の途中から,スタートし,リッジにでる。

7ピッチ目(浦野リード)。上部の岩場まで,残りを進む。ピナクルでビレーをとる。よくよくみると,もう少し上にぺツルボルトがあったようだ。前のパーティーがいたため,そこまで進まずに待つこととする。コンテで進んできたガイド+ガイド見習い(?)の2人組,男性2人組に先に行ってもらう。

⑥右上すると上部
⑥右上すると上部岩稜
8ピッチ目(浦野リード)。これが上部岩壁のスタート。Ⅲ+とのこと。記憶はあまりないが,厳しかったという印象はない。ただ強引に攀じ登る。オーバー手袋の指の先端部分がほつれつつある。ぺツルボルトでビレー。

9ピッチ目(松井リード)。岩,雪,氷のミックスした緩斜面。向かって右側の斜面の方が若干登りやすい。前爪を利かせて行けば問題はない。

10ピッチ目(浦野リード)。途中,ちょっとした切れ目があり,岩を抱えながら右足を出すところが嫌らしい(手前に残置ハーケンあり)。そこを超えれば特に問題なし。ピナクルでビレー。

11ピッチ目(松井リード)。ラストである。ここからは登山道を歩いている人や,展望荘も見える。12:42,登山道に到着。ここでザイルを解きほどき,テルモスのお湯を飲み,行動食を口にする。登攀を開始してから飲まず食わずであったので,喉がからからであった。また,息が非常にきれた。

13:00,赤岳ピーク着。13:10発。文三郎道を下り,14:10,行者小屋着。テントを撤収し15:10発。17:20,美濃戸口着。事前に呼んでいたタクシーで茅野駅へ行き,駅前の「庄や」で軽く打ち上げをした後,19:05発のSあずさで帰京。翌日,ふくらはぎが猛烈な筋肉痛になった。

⑦山頂
⑦山頂
(全体的な感想)

岩登りというよりも,岩+氷+雪のミックスの連続という印象が強い。中間支点は,ないことはないが,あまりとらなかった(1ピッチに1つか2つ程度)。ザイルは,ダブル2本でやっているパーティーもいたが,我々は,ダブル1本で登攀し,特に問題はなかった。下部の岩壁(1、2ピッチ)や上部の岩壁はビレーデバイスを使用する人が多いだろうが,中間部(3~7ピッチ)については,肩がらみで十分という気がする。ビレーデバイスは,今回,浦野はエイト環を,松井はATCガイド使用。環付きビナには,事前にCRC556をさしていたので,低温でも氷化せず滑らかな動きを維持できた。オーバーヤッケの下にダウンを着込んでいたため登攀待ちや,ビレー中でもさほど寒くはなかった。2月6日(日)に入っていたパーティーは,現認できた範囲で7パーティー,15名。

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