室堂~上高地

  • 期間 2012-08-01~2012-08-08
  • メンバー 浦野(27期)
  • 記録 浦野

 久々の単独行である。今年の夏はずっと前からやりたかった「室堂~上高地」の縦走をすることにした。

8月1日(水)午後10時30分,新宿西口都庁大型バス駐車場から出発する「さわやか信州号(室堂行:¥13000)に乗車。4列シートのバスはほぼ満席。乗り換えをしないで室堂まで行けるのはかなり楽である。

 8月2日(木)午前7時少し前に室堂到着。標高2450mの室堂は,都内の空気とは全然違う。ヒンヤリしてとても爽やかだ。ゆっくり朝食をとり,7:35,身支度を整えて長い長い縦走の始まりである。ザックの重量は計測してこなかったが,20キロまではないと思う。

まずは浄土山(2831m)を目指す。8:56浄土山ピーク付近到着。ここには軍人霊碑がある。そこから10分程度で富山大学立山施設に到着する。鬼岳東面の道標を経て,獅子岳(2741m)ピークに10:52着。東側には,黒部湖,スバリ岳,針の木岳,南側には,これから向かう薬師岳が遠く見える。
 ここからは,ザラ峠(2348m)に向かって一気に下る(途中,ハシゴあり)。11:48着。しばし休憩ののち,本日のテントサイトである五色が原に向かう。ここからの道は緩やかな登りで,チングルマ等の高山植物がとてもきれいなところである。12:35,五色が原山荘着。テントの受付と同時に缶ビール(500cc/800円)を購入。テントサイトまでは,山荘から歩いて10分程度かかるので,まずは小屋前で一気に飲む。空き缶を返却に行き,今度はテントで飲む用に缶ビール(350cc/600円)を購入し,木道を歩き,テントサイトに向かう。コンクリート造りのトイレと,豊富な水場があり,いい場所だ。テント(アライ:エアライズ2)設営終了後(13:35頃),おにぎり,コンソメスープ,ビールの美味い昼食をとった。夕食は,カレー&α米,春雨スープ。テント内は暑く,長ズボンを脱いでシュラフに入り,18:00頃,就寝。

 8月3日(金),午前3時00分起床。豚骨ラーメン&レモンティーの朝食をとり,4:45出発。いい天気だ。本日がこの山行で一番の長丁場で薬師峠テントサイトまで,約12時間の行程。この行程は,ピークとコルを忠実にたどるルートで,登っては下り,下っては登りの繰り返しでかなりバテた。おまけに天候はよくカンカン照り!日焼けによる体力消耗もあったかもしれない。熱中症にならないように,「つぶ塩付の干し梅」をポケットに入れて,それを食べながら行動した。
五色が原テントサイト            4:45発
鳶山ピーク(2616m)付近  5:35着 5:40発
越中沢岳(2591.4m)   7:15着 7:20発
スゴノ頭(2431m)直下   8:35着   8:47発
スゴ乗越            9:16着   9:22発
スゴ乗越小屋         10:02着  10:35発
→水場あり。ここで水の補給できるので,五色が原を出発するときは,ここまでの行動用飲み水のみ持てばOK。少しバテてきたので,小屋でペットボトル(DAKARA500cc)を購入し,一息つく。
間山(2585m)      11:56着  12:10発
北薬師岳(2900m)    14:13着  14:20発
薬師岳(2926m)     15:20着  15:30発
薬師岳山荘          16:20着  16:20発(素通り)
薬師峠テントサイト      17:20着

テントサイトに到着したときは,バテバテでザックを放り出し,へたり込んでしまった。
(最後の下りが沢沿いの下りでかなりこたえる)後半は,重い!暑い!長い!でかなり嫌になっていた。



ここのテントサイトは太郎小屋の運営で,太郎小屋の人が午後6時頃まで,コンクリート造の管理棟にいて,そこで受付を済ませ,缶ビールもそこで購入出来る。水場は豊富で,トイレはバイオトイレできれいである。とても気持ちのいいテントサイト。周りには,赤木沢遡行を終えたご夫婦や,明日,赤木沢を遡行するのであろう山岳会の皆さんが涼しい夕暮れの中,くつろいでいる。缶ビール(500cc/700円)が五臓六腑にしみわたる。あー美味い!明日は,雲の平までなので,朝はゆっくり寝て,疲れをとろう。夕食は,カルボナーラ。早めに寝ようとシュラフに入るが,体が疲れていてなかなか寝付けず,結局20:30頃まで目が覚めていた。
それにしても,本日の後半,東側にずっと見えていた赤牛岳(2864.2m)は裾野がとても広がっていて,でかい山だなとつくづく思った。

 8月4日(土),5:20起床。朝食は,マカロニスープ,薄皮クリームパン1個,玉子スープ,レモンティー。今日もいい天気だ。
テントサイト          7:15発
太郎平小屋   7:30着   7:50発
薬師沢小屋   9:51着  10:45発
アラスカ庭園 12:45着  12:45発
(途中,アルプス庭園を経由しながら)
雲の平山荘  14:00着
本日の行程は比較的短い。太郎平小屋から薬師沢小屋までは,薬師沢中股沿いに歩く。途中,沢の水で顔を洗ったり,体を拭くととても気持ちがいい。薬師沢小屋にはテントサイトはない。空はカンカン照り。テラスにザックを置き,はしごで沢(黒部川:奥の廊下)に降り,登山靴を脱ぎ,両足を沢の冷水に浸す。気持ちがいい!しかし,冷たくて10秒もつけていられないほどだ。水はとてもきれいで,美しい沢だ。いつか赤木沢や薬師沢左股へも行ってみたいという気持ちが強くなる。本当に美しい。
行動食(粉々になったカロリーメイト2本)をむさぼるように食べ,沢の水をぐびぐび飲み,出発準備をする。つり橋を渡り,高天原方面へ向かう大東新道と分かれ,樹林帯の急登へ突入する。この急登はかなりきつく息があがる。中高年の団体さん(20人以上)が下ってこられ,先頭のガイドさんと思われる方が,多いですけど先に登られますか?と問うので,大人数をじっと,待つのも何なので,先に登らせて頂くことにする。すれ違う,中高年の方々(女性が多い)に,「うわーお兄さん,大きなザックしょってるね!何キロ?」等と声を掛けられるが,こちらも登るのに息が上がっており,あいまいな応対しか出来ない。
こんなすれ違いが,その後も数回あり,その度に,「お兄さん,ゆっくりでいいのよ。自分のペースでね。」等と温かい言葉を掛けて頂くと,必要以上に早いペースで頑張って登ってしまう。そして全員とすれ違いが終わると,「ハーハー」と息を整え,粉々になったカロリーメイトをまたむさぼる。
急登が終わり,木道に入ると,やっと雲の平だ。雲の平は台地状で,水晶岳(2986m),祖父岳(2825m),黒部五郎岳(2839.6m),薬師岳(2926m)と山々に囲まれており,日本最後の秘境と言われるのもわかるような気がした。
小屋で受付を済ませ,いつものように,缶ビール(500cc/800円)を小屋のテラスでグビッと飲む。その後,テントサイトに向かい,テントの外で梅酒をちびちびと飲む。雲の平のテントサイトは,小屋から約20分かかる。トイレ(バイオトイレだがこのときは故障していた),水場はある。夕食は,カレー&α米,玉子スープ。翌日は,高天原温泉の空身ピストンなので気楽である。

8月5日(日),4:20起床。ラーメン,玉子スープ,レモンティーの朝食。
テントサイト          6:16発
高天原小屋   8:30着   8:33発
→缶ビール(500cc/800円?)購入
温泉      8:45着  10:20発
高天原小屋  10:35着  11:15発
→カレーライス(800円)を食べる。
雲の平山荘  13:40着

この日は,中休み。雲の平にテントを張ったままにして,空身で温泉ピストン。温泉は野趣あふれる露天風呂である。ちなみに女性用の風呂は囲いをしてあるため,景色を堪能することは期待できないであろう。浸かっては出て体を冷まし,冷ましては浸かっての繰り返し。冷ましているときの風がとても気持ちいい。小屋で購入したビールを飲む。言葉にならない美味さだ。寄ってみて正解だった。
小屋で昼食のカレーを食べ,しばしゆっくりした後,往路を戻る。雲の平に2連泊してこの温泉にくる人は結構いるようだ。温泉で一緒になった人も,雲の平テント組だった。雲の平のテントサイトに帰着した後,一緒に飲む。聞けば,岩手県出身の彼(28歳)は,
なんと岩手県の家を車で出発して1ヶ月山にこもりっきりの生活(厳密には何連泊かした後,下界に下り,諸々調達し,再び登るというスタイル)をしている,とのこと。この旅から帰ったら,「北上山岳会」という山岳会に入るようだ。
 夕食はカルボナーラ。21:00頃から雨が降り始め,明け方まで断続的に雷雨。テントに中にいても,カメラのフラッシュをたいたような稲妻で目が何度も覚める。

 8月6日(月),4:30起床。雷雨が続くので,朝食(薄皮クリームパン1個&レモンティー)の後,しばし様子見とする。雨があがり,晴れ間も少し見えてきたので,出発を決める。
テントサイト              7:50発
祖父岳(2825m)   9:12着  9:25発
岩苔乗越         9:55着 10:00発
ワリモ岳(2888m) 10:48着 10:50発
鷲羽岳(2924.2m)11:31着 11:45発
三俣山荘        12:42着
出発後,しばらくすると再度,雨が降ってきたので,合羽を着用する。どうも天候がはっきりしない。岩苔乗越の少し上にある,ワリモ北分岐で,ワリモ岳方面へ進む。当初は,水晶岳のピストンも加えようと考えていたが,天候がはっきりしないのでやめにした。
 ワリモ岳のピークで,濡れた岩に滑り尾骶骨を打撲。結構,痛い。鷲羽岳のピークには雲の平テントサイトにいた,学生グループが到着していた。



ここで携帯に松井さんからのメールが入っていることに気がつく。百合子さん,松井さんは昨日(8月5日)にコブ尾根をやったようだ。ジャンダルム基部にツェルト泊とのこと。
三股山荘へは,だらだらとした下り道をゆっくり下る。テント設営中に,また雨がざっと降ってきたがすぐに止み,晴天となった。缶ビール(500cc/900円→エビスビール)とラーメンの昼食をとり,その後は山荘内の談話室で本を読んで過ごす。夕方,山荘前から槍ヶ岳から北鎌尾根がはっきりと見える。夕食は,カレー&α米,玉子スープ。
 
8月7日(火),3:30起床。朝食はパスタスープ,コンソメスープ,レモンティー。
テントサイト              5:15発
三俣蓮華岳(2841m) 6:05着  6:08発
双六岳(2860m)   7:25着  7:28発
双六小屋         8:11着  8:25発
千丈乗越        11:48着 11:53発
槍ヶ岳山荘       13:13着
 本日は,西鎌尾根。出発して間もなく雨が降ってきたので合羽着用。1時間程度で止む。その後,晴れとなる。2日目は小さく見えた槍ヶ岳の穂先が大きく見え,ここまで歩いてきたんだなと,実感する。かなりゆっくりとしたペースを刻むことを心掛けたせいか,それほど疲労感を感じることなく,登ることが出来た。左手の甲の皮膚が日焼けで皮がむけてきた。槍ヶ岳山荘直下では,雷鳥の親子が出迎えてくれて,しばし心が和む。
槍ヶ岳山荘は,テント場所もテントのサイズによってエリアが区分けされており,岩等に「NO5-1」等と記載されている。受付時にエリアナンバーが記載された木札が渡される。水はちなみに,¥200/1Lで購入可能。頂上へのアタックは翌朝することにして,生ビール(1000円)&ラーメン&春雨スープと決め込む。ちなみに携帯の電波は入る。夕暮れ時,西の空に沈む太陽にしばし見とれる。夕食は,ナポリタン。

8月8日(水),4:20起床。5:00日の出。ご来光を見る。朝食はパスタスープ,春雨スープ,レモンティー。
槍ヶ岳山荘               6:27発
槍ヶ岳(3180m)   6:50着  7:15発
槍ヶ岳山荘        7:35着  7:50発
大曲           9:35着  9:40発
槍沢ロッジ       10:15着 10:30発
横尾山荘        11:50着 11:50発
徳沢          13:00着 13:10発
明神          13:45着 13:54発
小梨平         14:25着
長かった山旅も本日が最終日である。天候は朝からとても良い。槍ヶ岳の穂先からは今まで自分が歩いてきた道程が見え,なんとも不思議な気持ちになる。と同時に,自分脚で歩いてきただけあって,山の位置関係がよくわかる。しかし,携帯&デジカメの電池がきれてしまい,穂先からの写真はとれずじまい。しかし,自分の目に焼き付けたので満足である。



あとは,上高地に向かってダーッと駆け下りるだけだったが,ここで少しアクシデント発生。槍沢ロッジを過ぎたあたりで,登山靴のソールが半分剥がれた。細引きで応急処置をし,しばし歩いた後,徳沢の少し前で,遂にかかと側半分も剥がれた。即ち,ソールが全て剥がれた。これではしょうがないので,左登山靴は,ソールなしで歩行(この方が歩きやすい)。全く関係ないが,徳沢で,押切もえが山番組(?)の撮影に来ていた。ガイドさんと2人でこれからどこかに登っていくようであった。それにしてもカラフルなタイツをはいていたなー。明神でりんごジュース(500円)を飲み,一息つく。この辺までくると上高地に来た観光客が多く,6泊7日もやってきた自分は明らかに浮いている感じである。顔は日焼けしてボロボロで,ひげは伸び放題,頭には日焼防止の手ぬぐい・・・。明らかにファッショナブルではない。
14:25。小梨平キャンプ場の風呂に到着。上高地に着いたらどこの風呂に入ろうと考えていたが,もう迷わずにここにした(バスターミナルまで少し歩くけど)。500円支払い,汗を流し,食堂で生ビール&枝豆。その後,バスターミナルまで行き,16:30の新宿直行,「さわやか信州号」のチケット(¥7000)をとり,2Fの食堂で,生ビール&カツどん!久々の下界のメシはとても美味だった。長い山旅が幕を閉じた。

テントに6泊7日もしたのは始めての経験であった。太陽の強烈な日差,雪渓をわたる風,沢の水,星,月,温泉,雷鳥をはじめとする生き物,高山植物,雲海,日の出,夕暮れ・・・様々な景色が瞼に蘇る。と同時に,言葉では言い尽くせない「山」を肌で感じることができた。いい山旅だった。

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