両神山・尾ノ内沢道

  • 期間 2013-10-20
  • メンバー L鈴木百(25期)、飯干(26期)、松井(26期)、成瀬(27期)、加藤(29期)、田浦(32期)、米田(33期)
  • 記録 加藤

事前の宿題として中ノ沢、ミワダ沢、井戸沢、スズノ沢、板取沢、キギノ沢を特定し、それぞれの出合の高度を読み取って地形図に書き込んでおく。

当日は7時45分に西武秩父駅に集合。雨のため駅で雨具を着け、車で尾ノ内沢登山口へ向かう。国道299号から登山道に続く細道に入る角に龍頭(りゅうかみ、または、りょうかみ)神社があった。8時半、登山口となる『尾ノ内自然ふれあい館』に到着。車は建物前の広場に駐車。身支度をして、8時50分出発。リーダーを先頭に、本科生3名、研究生3名を交互にして列を組んで歩く。

尾ノ内沢沿いの登山道は数年前のエアリアマップ(昭文社の山と高原地図)には記載がないが、2013年版では油滝までが実線、その先が破線で記されている。落ち葉が多少積もっていたが登山道は判別しやすく、ピンクテープも十分にあった。前日夜から雨であったが、沢はさほど増水していないらしく、水も濁りはなかった。

歩き出して橋を2本渡った後、何度も沢の渡渉があった。水面から出ている岩や比較的水の浅い場所を選んで跳んで渡ったり、対岸へ渡してあるつるつるの一本の丸太を横向きに渡ったりしたが、皆次々に靴を水没させてゆく。腰の高さに木が掛かっている場所では、木を跨いでお尻を引きずって渡った。濡れて滑りやすい岩をよじ登るときはスリングで引っ張ってもらった。時々ほのかに甘い香りがしていて、以前ゲストでいらしていた方に教えてもらった朴の実の匂いだろうかと考えながら歩く。さくらんぼくらいの大きさの、甘い匂いがする実も落ちていた。

1読図して現在地を確認
2渡渉

地形から標高580m付近の井戸沢の出会と推測される場所で、高度計が100m以上高く表示されている可能性に気付く。下山後に天気図を確認すると、低気圧が日本の南を列島に沿って北上していた。9時半過ぎ、登山道脇の斜面が沢に向かって少し突き出したところに『山の神』の祠を確認。高度計を680mに修正する。水量が本流とあまり差のないスズノ沢を左に分けたあと、板取沢は見逃してしまった。支沢がいくつもあって沢の判別は終始つきにくかった。雨でも沢の景色は良く、日本庭園にありそうな場所やきれいな滝があった。キギノ沢もいまひとつ判らないまま、11時45分、油滝に到着。高度計は怪しいが、油滝は地図の表示より下流にあるように思われた。滝の少し手前に鎖の取り付けられた岩場があり、スリングとカラビナで確保しながら通過した。

油滝からは本科生を先頭に進む。地図の通りに道が判りにくくなったが、それでも踏み跡とテープがあるので、時折止まって悩んだり少し戻ったりしつつも、行き詰まることなく進んだ。地獄穴は中に入ってみたけれど、水が溜まっていて立てなかった。地獄穴の前で休憩後、沢筋の位置を気にしつつ、小さい尾根をいくつか越えながらトラバース気味に登る。一箇所、小さな沢筋の傍に、鎖のついた岩場があり、鎖にカラビナをかけて通った。斜面がハングしていて、その下をトラバースするようになっていた。傾斜が次第に急になってくると、木の幹や根をつかんで、這うようによじ登ることが多くなった。最後に連続する鎖場を越え、14時半に龍頭神社奥社に出た。陵線上は少し風が当たり、雨と汗でびしょ濡れだったため、休憩していると体がすぐに冷えた。

3岩の斜面をトラバース
4奥社下の急斜面

14時50分に奥社から八丁峠へ向けて出発。峠までは研究生を先頭に進む。鎖はあるものの濡れていて滑るので、片手で鎖を掴んで、もう片手を岩や木にかけて降りたりした。稜線付近では景色は望めないものの紅葉が始まっていた。鎖はどこも一本だけで混む日は渋滞すると思われるが、他の登山者はいなかったので焦ることなく下りることができた。鎖がついていても手掛かりや足場が乏しいところは枯れ木も使って慎重にバランスを取って下りた。だんだん日が暮れてきて、途中から足元が見えにくくなった。

5八丁尾根の岩場の下降

17時前に八丁峠に到着。休憩の後、防寒に各自手袋等を着け、ヘッドライトを準備して大岩へ向かう。八丁峠からは北側斜面でさらに暗く、急なつづら折りの歩きにくい道だったので、下り始めてすぐにライトを点けた。濡れた枯葉と湿った土で滑りながら歩く。18時20分大岩に着き、すぐ脇を通るアスファルトの林道に出た。そこからさらに坂本に向かって登山道を進もうとしたが、藪に覆われて踏み跡が判らず、しばらく探したがテープも見当たらなかったので、距離が長いけれど林道を歩くことにする。林道を2時間ほど歩く間に通過した車は2台。街灯がなく、前方から来る車には自分たちのヘッドライトが遠くから見えるけれど、後方からでは人影が全く見えず危なそうだった。延々歩いて、たまに街灯が出てきた頃にやっと雨が止み、20時半前に尾ノ内の龍頭神社に着いた。

<行程>
尾ノ内自然ふれあい館8:50~油滝11:45~地獄穴12:00~龍頭神社奥社14:30~八丁峠16:55~大岩18:20~龍頭神社20:30

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