一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁南稜

  • 期間 2016-08-12
  • メンバー 木村広(27期)、二見(27期)
  • 記録 木村広
 今回、私たちは烏帽子岩南稜に行ってきました。3年前に雨天で登攀を中止しましたが、今回は一ノ倉岳まで登ることが出来ました。


 12日、JR土合駅に集合。マイカーで谷川岳ロープウェー駐車場に向かいます。空は雲に覆われていて今日の天気が心配されます。駐車場に車を停めて一ノ倉沢に向かって出発、途中、登山指導センターに群馬県指定様式の登山計画書に山塾様式の登山計画書を添付して提出します。
 南稜テラスまでのアプローチは次の通りです。一ノ倉沢出合から河原に入り、途中から右岸を高巻いて樹林帯の踏み跡を辿ります。分岐を右に進路を取って沢に戻り、左岸に渡渉します。一ノ沢を過ぎて間もなくナメを挟んで右岸に岩の支尾根が現れます。この右岸の支尾根を懸垂下降点まで登って行きます。そこから一ノ倉沢に懸垂下降してテールリッジに取り付きます。テールリッジを衝立岩中央稜基部まで登って、烏帽子沢奥壁基部を南稜テラスに向かってトラバースしていきます。

07 烏帽子岩南稜始点
烏帽子岩南稜始点の様子です。 南稜は雲の中です。 1ピッチ目(リード二見) 右から登り、フェースを残置支点をたどりながら左へ、さらに右にトラバースしてから、チムニーを登ります。 2ピッチ目(リード木村) フェースを残置支点をたどりながら右上へ登ります。 09 2ピッチ目
2ピッチ目をフォローする二見さんです。 3ピッチ目 草付きをコンテで登ります。 4ピッチ目(リード木村) オーバーハングを左から回り込み、右に進路を変えて馬の背リッジに乗って数メートル進みます。 霧は次第に晴れて、一ノ倉沢を背景に岩登りは佳境を迎えます。 13 4ピッチ目
4ピッチ目をリードします。 15 6ルンゼ左俣右俣
4ピッチ目の終点から見た6ルンゼの左俣と右俣の様子です。 5ピッチ目(リード二見) リッジを垂壁手前まで進みます。 19 5ピッチ目
5ピッチ目をフォローします。 6ピッチ目(リード木村) フェースを直上します。 22 烏帽子岩
終了点から見た烏帽子岩の様子です。 ここから、草付きやルンゼを登り烏帽子尾根にでます。一ノ倉尾根に合流して5ルンゼの頭を目指します。 27 5ルンゼの頭
5ルンゼの頭の様子です。 5ルンゼの頭基部の手前のピナクルを、ビレイヤーのセルフビレイの支点にして登ります。50メートルロープで終了点まで足りない為、潅木を支点として利用します。終了点にはリングボルトが打ち込んであります。ここから稜線まで藪漕ぎとなります。 28 ハクサンフウロ
30 ハクサンフウロ
ハクサンフウロです。色々な高山植物の花が咲いています。 46 谷川岳
稜線から見た谷川岳の様子です。 50 一ノ倉岳山頂記念撮影
一ノ倉岳山頂で記念撮影です。 【経路と時間】 土合駅(1:30)=谷川岳ロープウェー駐車場(2:00)~一ノ倉沢出合(3:15)~衝立沢出合(4:40)~テールリッジ終点(5:50)~南稜取付点(6:30)~南稜終点(10:15)~5ルンゼの頭(11:30)~一ノ倉岳山頂(13:30)~谷川岳~西黒尾根~登山口(18:45)~谷川岳ロープウェー駐車場(19:00) 【感想】 ■木村  出発時の土合駅前では車のフロントガラスが雨で濡れましたが、次第に天候は回復して、念願のルートを登り初めて一ノ倉岳の山頂に立つことができて、とても楽しい山登りとなりました。  今年は雪が少なかった為か、雪渓は上流部に少しあるだけで、衝立沢出合周辺には全くありませんでした。  今回の核心部は南稜終点から一ノ倉岳山頂までの間でした。烏帽子尾根までは濡れた岩の対応に苦労しました。5ルンゼの頭も浮石が多く苦労しました。5ルンゼの頭を登る際、5ルンゼの頭基部でビレイヤーのセルフビレイを確保すべきでした。ロープの長さが足らずに終了点手前でピッチを切ることになってしまい手間が増えてしまいました。 ■二見  3年ぶりのリベンジで、又雨かと心配しましたが早朝のガスも徐々に晴れ、一時は暑くなりました。1ピッチ目のチムニーはハーケンが多く打ってあり助かりました。5ピッチ目の馬の背は先輩講師のアドバイスもあり早めにリッジの右側に上り、その後残置支点のある左側を登攀。所々浮石あり、岩は乾きクライミングシューズのフリクションが良く効く。6ピッチ目は息も上がり、何とか終了点に辿り着く。ガスが晴れると駐車場まで見渡せるが、怖さも増す。登攀終了点まで順調に来たけど、ここから一ノ倉岳稜線までが長かった。懸垂下降してしまうグループの方が多いのか、藪こぎは時間がかかった。下りの西黒尾根はアドレナリンの出も悪くなり、達成感を胸に何とか駐車場までたどり着いた。リーダーの計画の読みは優れていて世話になりました。

一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁南稜” への1件のコメント

  1. お疲れ様でした。
    非常にわかりやすい記録でありがたいです。
    自分もいつかは行きたいところなので大変参考になりました。
    また、会の活動でお会いできることを楽しみにしております。

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