シダクラ沢

  • 期間 2022-05-22
  • メンバー L金澤(講師)、SL安永(26期)、BU平(40期)、BU高橋(41期)、穴井(39期)、齋藤(41期)、秋永(42期)、鹿内(42期)、八重樫(42期)、*田口(22期)、*船戸(30期) *:特別参加
  • 記録 高橋

沢登りの基本ステップで、奥多摩・多摩川水系シダクラ沢を遡行した。

惣岳バス停から奥多摩昔みちへの急な階段を下るときれいに管理された公衆トイレがある。その先に吊り橋(シダクラ橋)が現れる。老朽化のため、一度に渡れるのは二人までと注意書きがある。先頭が橋の真ん中まで到達したら二人目が渡るというシステムで橋を渡った。
シダクラ橋
橋を渡ると広い場所があるが、その先まで発電所用(?)の道を歩き沢沿いの開けた場所(取水口のやや上流)で沢装備に着替えた。山塾としては今年初の沢登りということもあり念を入れて隊列の順序を決めてから入渓。昨日の雨の影響は少ないようで水量は丁度よい。
高巻き/偵察
          高巻き中/偵察中
ジグザグのナメ滝が現れる。遡行図にゴルジュが記載されているが、実際は右岸のみ崖が形成されており、左岸は土壁であった。2段6m滝ではロープを出すが、落ち口付近に適当なアンカーが見当たらず、やや離れた位置の樹木を利用して支点を構築した。
2段6m滝
          2段6m滝
洞穴状の滝は左側から巻いていく。高さは3mとたいしたことはないが滑るのでここが一番の難所かもしれない。
3m洞穴状滝
          3m洞穴状滝
標高750m付近で二俣が現れ右俣のガレ沢を少し登ってから南側の急斜面を詰めていく。踏み跡はなく樹木もまばらなので時にはキックステップで登る。先頭から4人目以降になるとステップが崩れ泥がツルツルに磨かれてしまうのが厄介だ。次第に傾斜が緩み、登山道に出たのは遡行図にある1128mではなく1030m地点だった。そこから一般登山道とはいえ急坂もあり、下山に時間を要した。途中のサス沢山(940.4m)からの展望は素晴らしく自然と休憩タイムに。
サス沢山頂からの眺め
葛葉川本谷に比べ小さな滝が多く、沢初めや初心者に適しているかもしれない。他のパーティーはおらず、終始貸切だった。

<行程>
惣岳バス停8:43~入渓点(取水口上流)10:00~終了点(750m)13:00~登山道(1030m)14:00~サス沢山14:50~奥多摩湖バス停16:00

<所感>
〇平
先客もなく、大勢でノンビリ遡行、少し微妙な登りもあって楽しめました。詰めが迷いがちのようですが、すっきり稜線にあがれたのも良かったです。
〇齋藤
個人的には4回目の沢山行になりますが、いつ来てもやはり沢は怖いです。今回は諸先輩方にいくつかアドバイスをいただきました。一つはかかとを上げないこと。なるべく接地面積を減らさないようにかかとを上げずに立つことを意識し、そして靴の中でつま先を丸める感じで立つと力が入りやすいことも教えていただきました。また、先に足を置くところを見つけてから登ると余計な体力を消耗せずに登れるとアドバイスいただきました。
〇秋永
真新しい沢シューズに足を入れ、どきどきしながら入渓。少し先を見て水面下の岩の状態を考えながら進む。岩場では日和田の反省をふまえ、できるだけ腕に頼らず足で立ち込むようにしたら登りやすかった。詰めは落ち葉が滑る急斜面で、まるで雪山のキックステップ。岩、雪、全ての経験が総動員できた感覚。恐怖心もなく、とにかく楽しい!と思える一日だった。総じて、高巻きするか、流れに突っ込むか、キワを登るか、ルートの選び方は自分次第!登り切るまでの体力と、チャレンジを楽しみながら組み立てていくのが沢の魅力なのかもしれない。
〇鹿内
初心者向けの沢という事で、危険もなく諸先輩の皆様にサポートいただき無事終えることが出来た。日和田講習の際にフェルト一択というアドバイスをいただき、モンベルの沢靴を買ったが足底が柔らかいため非常に岩を遡行しやすかった。また、岩場がコケ等で滑りやすいのかなと思っていたがそこまででもなく、ホールドも多かったため登りやすかった。今回は初めてという事もあり、ルートも易しい場所を歩いていただいたが、次回はもっと水場を歩けるようになりたい。沢を上がってからの詰めは本当に苦しく、持久力がないことを痛感。また下山時は足の筋肉がないために途中でこむら返りをしたりと身体がついてきていなかったので、この辺りは課題としていきたい。地図読みは全くできず、ここも知識と経験を積んでいきたいと思う。
〇高橋
今年最初の沢登りとなったが、水中の状況が把握できないので登山と比べ足さばきが難しいと改めて思った。終始、現在地の把握に注意し、遡行図を先読みしたり、支沢が出てきたら地形図とコンパス、高度計で確認をすることで終了点まで現在地を見落とすことなく遡行することができ、私にとって充実した基本ステップとなった。

〇八重樫(行動記録&所感)
【準備編】
人生初の沢登り、大きな期待と若干の不安(前日雨が降って開催できるか)を胸に前日に改めて持ち物チェック。当日沢までのアプローチにどんな格好でいくのかなんてことに前日になって悩みつつもハーネス・沢靴以外は着替えるのも面倒くさそうだなと考え、服装はOK(自家用車ということもあり)。地形図(2.5万図 奥多摩湖)、遡行図を眺めながら、なんとなくのイメージは持ちつつ、沢の先はどのように登っていくのか全くイメージできず。YAMAPも沢登りには全く機能せず、眠りにつく。
【当日編】
AM8:25奥多摩駅集合。登山の日は渋滞に巻き込まれるのが嫌なため4:00起き、奥多摩駅には6:50着。ちなみに奥さん(鹿内)は緊張のあまりほとんど眠れなかったそう。奥多摩駅にはまだ朝早いのに多くの登山者がバス待ち。8時を過ぎる頃には奥多摩湖方面には長蛇の列。バス内もかなりの込み具合。そういえば今回の山行名簿にはお名前がなかった田口さん、船戸さんもご同行いただけて心強い。惣岳バス停下車後、沢まで歩く。途中、『今日はツメが長いかも』『ツメ長いのいやだな』と船戸さん、安永さんの会話、『ツメ』とはなんぞやということでお訊きすると沢を上った後の登山道までの登りということのようで、その時はなるほど登山道じゃないのでちょっとしんどそうだなと悠長に考えていた(甘かった)。沢到着。着替えも完了し、金澤さんから注意事項等いただき、いよいよ沢登り開始。水の底がはっきり見えないので、沢靴が岩を捉える感触、急に深くなる箇所、動かなそうで動く岩などに意識を集中しながら歩を進め、徐々に慣れてくる。いやあ、純粋に楽しい。途中途中、遡行図を見ながら自分たちがどの辺りを歩いているのかの目星をつけ登る。滝はどの位置に足を置いていくかを先に考えて登ることを意識すると、余り苦も無く登れるようになっていった(少しではありますが、高橋さん、平さん、穴井さんとのジム通いが役に立っていたのではと嬉しく思う)。この段階で、沢登り is めっちゃ楽しい状態に。途中ロープワークでの補助をいただきながら登る箇所が一箇所ありましたが、改めてロープワークをしっかり身に着ける重要性を認識をしました(今回は初心者コースという事もあり余りロープが必要な場面はありませんでしたが、今後はより多くなってくること、また、金澤さん、高橋さんにロープ支点を構築していただいたが自分自身もしっかり支点構築等できるようにならねばと強く意識)。そうこうしながら、途中休憩を挟み、沢の二股まで到着。ここで、地図読みの重要性を確認。正直このタイミングでは、全くどちらの方向に行けばよいのか自分では地図から読み解くことは(そもそも読む知見もなく)できず、きちんとマスターする必要があるとここでも意識させられました。さて、ここからは詰め。雨でぬかるんだ土壌、沢靴は全く機能発揮してくれず、想像以上に大変な登りでした(奥さんはかなりきつかったと思います)。ここでも先導していただいた金澤さんに感謝しながら、自分でもしっかりできるようにならないと楽しいだけの沢登りではなくなってしまうなと考える。なんとか無事に登山道に合流、時間的に今回はここから下山することに。想定はしていたが下山中奥さんの膝が限界に達していたようで、途中からストック利用。奥多摩湖のきれいな景色を写真におさめ、無事下山。
【気づき編】
・事前準備:地図、遡行図をもとにシュミレーション。座学(5/26の机上集会)でも地図読みの知識習得と前もってのシュミレーションの重要性を学んだ。
・沢登り:今回は初心者コースという事もありながら、途中気を抜くと滑って転びそうになる場面もあったため、沢靴への慣れと足への感覚集中はしっかり意識する。ロープワークが必要な場面も今後多くなるため、しっかりロープワークを自分のものにする。
・地図読み:沢登頂後の詰めでは必須の技術かつ今後の登山活動でも必須なため、これもしっかりと身に付ける。

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