八ヶ岳・天狗尾根

  • 期間 2018-01-20~2018-01-21
  • メンバー L小林功(32期)、SL田中(35期)、保岡(32期)、宇田川(34期)
  • 記録 田中

天狗尾根から赤岳へ。先々週、キレット越えのルート上で見た大天狗を越えた。
終始好天の中、テン場から8時間半、ロープを2回出し、フリーで3回冷汗をかいて赤岳山頂に立った。急登のラッセルが厳しかった分、達成感もひとしおであった。

■1/20(土)
リニューアルされた小淵沢駅から美しの森までタクシーで6千円弱。駐車場では下山してきた二人組からルートの情報を聞いた。雪が少なくトレースがあるとのこと。早速、装備を整えて入山した。
林道歩きから堤防をいくつか越え、思ったよりも早く出合小屋に到着。薪ストーブが新しくなっていた。小屋の中で食事をして出発。赤岳沢を遡行するとすぐに取付のマークが左側に見えた。このルートは全体的にマークが多数つけられていた。
取付でアイゼンを履いて登り始める。樹林帯の中はしっかりトレースがついており不自由しなかった。できるだけ上にテントを張りたいが、先の状態がわからないので蟻の門渡りの先の2,150m付近にテン場を設けた。
 
■1/21(日)
6:30に出発。いい天気だ。
テン場より上はトレースが薄くラッセルを強いられたが、膝下程度の深さなのでワカンは使わず、アイゼンで最後まで登れた。また、参考までに2,200mと2,300m付近にもテン場適地があった。
2,400m付近で最初の岩稜が現れ、右に巻き上った。2,450m付近の岩稜は岩や木を支えに直登し、カニのハサミの基部で一本とった。
権現&カニのハサミ権現岳/カニのハサミ

基部を左から巻き、急登の雪稜を登ると右手にフィックスロープが見えた。ここは注意していないと見逃してそのまま尾根伝いに登ってしまいそうな箇所だった。10mくらいのトラバースであるが切れ落ちていたので迷わずロープ。トラバースしてからルンゼ状の雪がついた急登を40m弱。50mロープで少し余った。ルンゼは難しいところはなく体力勝負の感じ。さらに10mのトラバース後、雪付きの岩稜をダブルアックスで越えると偽天狗が見える。
50mくらいトラバースしてドライな岩稜をよじ登るとテラスに出てやっと大天狗が見えた。ここで2回目のロープ登場。15mのトラバース後、垂壁に取付き、上部テラスでピッチを切った。予想では大天狗を右に回り込むルートもロープで確保するはずであったが雪の状態が良く、ロープなしで巻けた。
大天狗&小天狗大天狗/小天狗と赤岳

小天狗を左から巻きあがって、ヘロヘロになりながら天狗尾根と一般道の合流点に到着。全員でがっちり握手した。
赤岳山頂赤岳山頂

<メンバー所感>
■小林功
数年前、無雪期に登り、いつか積雪期に行きたいと思っていた東面を代表する岩尾根「天狗尾根」にトライすることができた。無雪期にトライした際ルートを間違ったことがあり、今回の積雪期でのルートファィンディングに不安があったが、事前に講師からレクチャーを受け、メンバーで丁寧に事前準備をしてトライ結果、迷うことなく登頂が出来た。
無雪期とは違いラッセルに思った以上の時間がかかったことは、今後のスケジューリングをする一つの物差しとして収穫になった。また、ベースキャンプスタイルではなく全装備を背負って東面から西面へと抜けたことで自信がつき、今後の山行の幅ができた。
また、いつものメンバー、保岡氏、田中氏、宇田川氏と無名山塾研究生として研究をする山行にチャレンジしたいと思います。
今回もチームメイトと良い思い出ができました。ありがとう!! BY CHIKEN/小林

■田中
今回はロープワークなどに遅滞はなかった。フリーの岩稜越え3か所は落ちたらアウトなのでもっとも怖かったし、緊張感が走った。テムレスで通したが防水防寒に問題はなく、岩にも吸い付くので有効であった。
ロープを出したルンゼから次の岩稜までの間、ロープ、フライ、ツェルトなどの共同装備を背負った区間の登りが一番つらかった。ロープが特にきつい。
課題はガチャ類を持ち過ぎたことで、今後は事前に打ち合わせをして吟味すべき。
いろいろ反省点はあったが、ホタルイカの干物をかじったときに前歯が欠けてひふみん状態になったこと以外は終始楽しい山行だった。
リーダー功さん、いつも笑顔のudaさん、マトン保岡さん、ありがとうございました。
自分がいい加減なところは頑張って直しますので、これからもよろしくお付き合いのほどを。

■保岡
今回の天狗尾根は天候に恵まれ、ラッセルあり登攀ありルートファインディングありと有意義な山行でした。
最後の核心部をリードさせてもらいましたが取付きポイントが左にずれてしまい、次に登る仲間を危険にさらしてしまいました。いかに安全なルートを探し出すかもリードをするうえで重要な事だと痛感いたしました。

■宇田川
縦走形式の冬季登攀は初めての経験だったが、天候にも恵まれ楽しむ事が出来た。ラッセルはあったが岩稜帯の雪の状態は良好だったと思う。想定より時間が掛かってしまったので、歩くスピードを上げる以外にどうしたら時間を短縮できるか考えておきたい。
好天の中いつもながらの楽しい山行有難うございました。

<行程>
1/20 美しの森10:00~出合小屋12:30~天狗尾根取付12:50~2,150m付近15:00(テント泊)
1/21 テン場6:30~第一岩峰10:00~第二岩峰13:00~大天狗14:00~赤岳山頂15:00~行者小屋16:00-16:24~美濃戸口18:30

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