谷川岳東尾根

  • 期間 2016-10-15
  • メンバー L小林功(32期)、宇田川(34期)、田中(35期)
  • 記録 田中

谷川岳東尾根はシンセンのコル前後で2パターンに分かれる。コルより前は沢、草、笹の世界で、コルより後は藪と岩の世界。初級者の我らはルートファインディングが課題だ。今回は好天に恵まれ幸運だった。紅葉の谷川で予定通りのトレッキングが楽しめた。オキノ耳に突き上げたとき、頂上にいた方たちの喝采は望外の喜びだった。

巌剛新道は10月中旬とあって肌寒い。シンセンのコルまでは藪漕ぎで両手を駆使するので功さんからもらったゴム手袋をつけている。これはベストチョイスであった。功さんのセンスに感謝。
巌剛新道登山口から30分、雨が多かったせいか小さな流れをいくつも跨いでマチガ沢への下降点に着く。第一見晴(1117m)だ。下を覗くとマチガ沢が見えて取り付きとしては非常にわかりやすい。沢まで下降して装備を整えた。そこで、マチガ沢の出合から直接登ってきた方々もいてその手もあったかと驚いた。その方たちは我らと反対にここから巌剛新道を通って行くと聞いた。

マチガ沢を遡上するとすぐに大滝(1171m)が現れた。ホールドが確かでロープの必要はなさそうだ。左右の岩の様子を偵察して登りやすそうな右側のカンテをよじ登った。
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次のポイントはシンセン沢出合だ。これを外すとどこにたどり着くかわからなくなるので本日の最重要課題だ。右側の地形に注意しながら沢を遡上するとシンセンのコルらしき地形が遠望できた。コルとの位置関係と角度でシンセン沢出合(1236m)らしき涸れ沢を発見。ここからは急角度の草付きで立休みできる余地もない。
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次のポイントは二俣であるが、広々とした草付きのスラブのどこが二俣かわからないまま岩稜(1442m)にぶち当たった。シンセンのコルはおそらくあそこなので岩稜帯のなかなかに切れた、滑落したらひとたまりもないスラブをトラバースしてシンセンのコル直下に取り付き、必死で藪漕ぎ。手を放したらコロコロどこまでも転がり落ちそうなスラブにいやになって来たころ、突然、藪が切れてコル(1530m)に立った。
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コルの広さは1畳くらいで幕営は無理だろう。狭いコルではあるがこれから岩稜帯に入るので笹や木の枝でランナーをとる「イワシ」の練習をした。3名とも怪しかった知識が確かなものになった(しかし、使わなかった)。

ここからは尾根通しでオキノ耳を目指す。次のポイントは第二岩峰。尾根を極力外さないように、藪にぶら下がり、ナイフリッジにおびえながら進むと第二岩峰らしき3つのピナクル(1597m)が見えた。1つめと2つめの間の10mくらいのチムニーがルートであるが下が果てしなく切れ落ちており、恐ろしい。ロープをどうするか相談した結果、登攀力が一番高い宇田川さんがフリーで登り、ルートを偵察することにした。取り付きが核心でその上部は問題ないレベルとのことで安心して続いた。
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次のポイントは観倉台なのだが第二岩峰以降はルートを失ってしまい、尾根に上がったり、トラバースしたりで正直どこにいるのかわからないまま彷徨し、現在位置を確認するために尾根に上がったら後ろが観倉台らしきテラス(1740m)だった。そこから尾根の岩稜をよじ登ると10mくらいの水平な尾根、おそらく水平リッジ(1840m)に出たのでお弁当にした。
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第一岩峰は特に印象にないが、右を巻いてしまったのがそれだったのであろうか。オキノ耳に心ははやり、11:50 紅葉見学の登山客で鈴なりの頂上(1977m)に到着した。
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*標高表記は田中の計測です。安物の時計なので怪しいです。

<小林功所感>
谷川岳東尾根、登攀に苦手意識がある自分にとっては最高の経験になった山行でした。何よりも天候に恵まれたことに感謝。ルートファインディングに草付きの登り。今回の山行も良い経験をしました。改めて経験こそが成長につながると実感しました。
また、今回はロープを出すことはありませんでしたが、ロープワークに自信を持つことが次のステップにつながると登りながら実感しました。登れば登るほど課題ができ、山登りは楽しいです。これからも安全優先の登攀スキルを身につけていきたいと思います。また自分は草付きや、木を使いながら登るルートは好きだと再認識できました。
今回も最高の仲間と登れて良かったです。田中さん、宇田川さんありがとう。 5ヤッホー!!
(「ヤッホー」とは山ノボラーの幸福度を表す指標。5ヤッホー=今季最高山行)

<宇田川所感>
自分の中ではチャレンジ感の強いルートではあったが安定した天候にも恵まれ山行を楽しむ事が出来た。企画してくれた田中さん功さんに感謝。
ルートファインディングがやはり肝であったように感じる。悩ましかったりルート外しているか?と感じたりしながら何とか補正し、無事に進めた事は自信に繋がりそうだ。
紅葉シーズンの谷川岳はとてもきれいで皆でこのまま馬蹄形で下山?しようかと言いながら山頂を楽しんだ。

<行程>
巌剛新道登山口6:40~第一見晴7:10~マチガ沢出合7:20-7:40~シンセン沢出合8:00~トラバース点8:40~シンセンのコル9:00-9:40~第二岩峰9:50~観倉台10:40~水平リッジ11:00-11:10-オキノ耳11:50

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