双子尾根から杓子岳

  • 期間 2011-05-02~2011-05-03
  • メンバー 木村広、二見
  • 記録 木村広

4月29日に降雪があって、白馬大雪渓で雪崩のために遭難事故が発生した由。当初、4月30日~5月1日に行動する予定だったが、積雪後の様子を見るためと、5月1日に悪天候が予想されるため、30日早朝に日程変更を決める。

01 猿倉
(猿倉) 1日目。11:40白馬駅改札集合。11:45発の猿倉行のバスに乗る。黄砂のためか、天気は晴れだが、もやで山の姿はほとんど見えない。麓の残雪の美しい風景を見ながら、バスに揺られて12:15猿倉着。猿倉前の駐車場でビーコンをチェックして出発する。 03 鑓温泉分岐
(鑓温泉分岐) 05 杓子岳 (猿倉台地から)
(杓子岳)  残雪の雪はグズグズだが、踏み跡はしっかりしていて歩きやすい。間もなく鑓温泉への分岐の標識に出会う。大雪渓への登山道を右に分けて、鑓温泉への緩やかな尾根を進むと、杓子岳が目の前に現れる。しばらく長走沢の谷を横切るように平野を進む。この平野は霧が出るとコンパスを頼りにしながら進むことになるだろう。 06 双子岩
(双子岩) しばらくすると急登となり、小日向のコルへと着く。この辺りは雪崩の心配は無さそうだが、小日向山では、3月11日の大地震の日に雪崩が起きて、山スキーヤーが亡くなっている。小日向のコルから見ると、雪崩が起きそうな山には見えない。辺りを見ると、2~3パーティーがテントを設営している。 10 白馬岳 (小日向のコルから)
(白馬岳) 当初予定では、小日向のコルから、さらに双子尾根を登り、樺平でテント泊する予定であったが、ここにテントを設営して、翌日に杓子岳へピストンをする予定に変更。風が強くなってきたので、気合を入れて雪のブロックを積み上げて壁を作る。汗びっしょりとなる。ところが風はすぐに収まってしまった。天気予報でも5月2日、3日ともに風は弱いとのこと。まあ、雪山テント泊の雰囲気が出たので良しとする。 2日目。予定通り5時出発。気温マイナス4度。双子尾根へ向かう。当初予定は、双子尾根から杓子岳、白馬岳を経由し、大雪渓を下降するルートであったが、大雪渓はデブリが散乱しているとの由、このルートは無理となった。杓子岳ピストンであれば、軽量化の恩恵も得られる。 12 高妻山 (小日向のコルから)
(高妻山) ふと小日向のコルから背後を振り返る。高妻山の上空の雲を朝日が赤く染めている。すばらしい景色だ。今日は晴れて気温が上昇するだろう。早めに下山しなければならない。トレースはしっかりしていて迷うことは無いが、踏み跡が下山時のもので歩幅が大きく、膝くらいの高さまで足を上げて登るような状況が続き、体力の消耗が激しく、ペースが上がらない。気温も上昇し、脱水症状との闘いとなる。 14 樺平
(樺平) 樺平を過ぎ、しばらく急登を登っていくと、1つ目の核心部に着く。ガイドブックでは、岩稜にロープがフィックスしてあるとのことだが、雪に埋もれているのか、ロープは見当たらない。この岩稜の基部の雪面には、大きな割れ目が横に伸びていて、直進するのが困難な状況となっているので、直進している踏み跡を避けて、右に大きくトラバースして割れ目の小さい部分から乗り越えて尾根に戻った。 22 八方尾根 (ジャンクションピークから)
(八方尾根) またしばらく急登となり、ジャンクションピークへ。ビバークの跡あり。ここからの展望もすばらしい。ここまでくれば、山頂は目の前だ。とりあえずアンザイレンする。山頂を仰ぎ見ると、西から雲が移動してくる。天候は下り坂のようだ。2つ目の核心部の最後の岩稜帯の前で、ザックを置いて取り付く。浮き石に気をつければ、難しくはないので、コンテニュアスで進む。 25 杓子岳山頂の雪庇
(杓子岳山頂の雪庇) 27 杓子岳 山頂 記念撮影
(杓子岳山頂)  岩稜帯を通過し、やっとの思いで山頂に到着。眼前に絶景が広がる。上空には雲が漂っているが、遠くの山まで見渡せる。景色を堪能したあと、間もなく山頂を離れる。 37 白馬大雪渓 (山頂手前の鞍部から)
(白馬大雪渓 捜索の様子) 日差しが強く、雪はグズグズの状態となっている。ジャンクションピークの手前で、大雪渓を覗いてみると、デブリが散乱している中で、複数の人が列を作って立っているのが見える。場所が遠いので何をしているのか分からないが、ゾンデを突き刺して遭難者を捜索しているのかもしれない。全ての遭難者が見つかることを祈るばかりだ。我々も無事に下山するために、先を急がなくてはならない。難なく1つ目の核心部まで戻ってきたが、雪の割れ目を通過するのは容易ではない。スタンディングアックスビレイで、二見さんが先に降りる。ロープのテンションを利用して、割れ目を越えようとするが、踏み跡が崩れて落下、ロープに荷重がかかる。ビレイをしていなかったら割れ目に落ちてグランドフォールしていたであろう。次に自分の番だ。とりあえず、下で二見さんにアックスビレイをしてもらって降りていくが、割れ目を飛び越えようとした矢先に、踏み跡が崩れる。バランスを崩しながらも着地に成功。この後は難しいところもなく、小日向のコルに12:35到着。猿倉からの最終バスが14:15と思っていたため、タクシー利用を考えてゆっくりと撤収して下山するが、途中からぎりぎりバスに間に合いそうなので、汗だくになりながら急いで歩き、14:05にバス停に着く。無事下山となった。バス停の時刻表を見ると最終が14:45と判明。急がなくても十分間に合った。無駄な体力を使ってしまった。  タクシーが猿倉で待機していたが、バスを待つ。30分ほどバスに揺られて、白馬駅に無事到着。白馬駅で時刻表を見ると、電車は全席指定の快速長野行と、松本駅までの各駅停車の2種類しか無い。14:38に特急あずさがあるが、時刻は過ぎている。もし猿倉からタクシーを使っていたら、白馬駅から特急あずさに乗ることができたかもしれないと考えて、タクシー代をケチるんじゃなかったと後悔する。JR大糸線利用での山行は、帰りの電車の時刻まで調べておいたほうが良いかもしれない。 [行程] 1日目:猿倉(12;40)~小日向のコル(15:05) 2日目:小日向のコル(5:05)~樺平(6:30)~ジャンクションピーク(8:35)~山頂(9:55)~小日向のコル(12:35/13:25)~猿倉(14:05) [木村所感] 2つ目の核心部について、ロープは必要無いと思いました。アンザイレンして進むほうが危険かもしれません。技術的には簡単な岩稜でしたが、滑落したら停止できるような場所ではないので、スタカットにすべきだったかもしれませんが、確保点を構築するのが難しい場所でそれが出来ませんでした。アンザイレンしていると、パーティー全員が滑落するケースもありそうですし、逆に助かるケースもあるかもしれませんので、今後も同じようなケースで迷いそうです。 [二見所感] アンザイレンは1長1短を理解しないとリスクが倍になったりしますね。ピッケルを片手に、もう片方の手にロープを持つと手のサポートが必要な時、使えない。ペースをかなり合わせないとロープ操作がうまくいかない。安心感はある?ナイフリッジは一人が落ちたらもう一人は反対側に飛べるかな?スタンディングアックスビレイは去年の講習以来、すっかり忘れていて現地訓練しました。雪面にピッケルが垂直に刺さらない場合、横に寝かす。アイスの場合はロープと同一方向にピッケルを寝かせて刺す。色々教わりました。二日目は日焼け止めを塗るのを忘れ、下山後顔が暫く火照っていました。残雪期の雪庇、亀裂及びクレバスに対して晴間の気温12℃? いつ雪崩れてもおかしくない?早朝は氷って良くアイゼンは効くが、溶け出すとグズグズ。大雪渓の雪崩れは数日前の1mの新雪の表層雪崩とか。厳冬期の寒さは大分緩和されていて動きはスムーズさがでてきました。

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