餓鬼岳&唐沢岳

  • 期間 2010-10-01~2010-10-03
  • メンバー 長澤(L、講師)、久野(22期)
  • 記録 久野

 

餓鬼岳

<餓鬼岳>

唐沢岳

<唐沢岳>

 

10月1日(金)

道の駅・松川に集合。まずは中房温泉に向かい、車を1台デポ。その後、白沢登山口に向かう。国営アルプあづみの公園の綺麗な道路からいきなり、両側から伸びる草藪にボディをこすりつつ(汗!)車1台やっと通れる細い林道に突入して約2キロ。白沢登山口には、駐車スペース・簡易トイレ・登山ポストがあり、既に数台駐車していた。
砂防堤まで林道を歩き、そこから登山道へ。白沢の清流に沿ったり・渡ったり、桟道やハシゴが連続する。滝やゴルジュが次々現れ、深いゴルジュの中の桟道は中々迫力がありました。大きな「魚止ノ滝」をひとしきり高巻いて、「最終水場」の小沢を過ぎると、大凪(おおなぎ)山の支稜に向かって急登。急登連続で、休憩する場所が無い・・。沢登りの詰めのような不安定なガレを登り切り、少し斜度が緩んでくると、樹林の中に大凪山の標識があった。この日は曇りで、登っても登っても展望皆無。
大凪山から餓鬼岳まで、針葉樹林帯の稜線を登って行く。上がるにつれて、ガスが濃くなってきた。コメツガからダケカンバの樹林帯に変わってくると、「百曲り」と呼ばれる標高差300mのジグザグの急登。ガスの中、ひたすら登りあげ、やっと餓鬼岳小屋へのトラバース道に入るが、これまた木の根張り出すやや歩きにくい道で、意外と長く感じられた。ガスの中に、いきなり小屋が現れる。
餓鬼岳小屋のすぐ後ろに、餓鬼岳がガスの中に垣間見れたが、頂上は明日踏む事として、餓鬼岳小屋泊。昔ながらの小屋の風情で、最近の立派な山小屋もそれはそれなりに便利ですが、こういうのもいいなあ、と思いました。金曜日とあって宿泊者は計8名でごった返す事も無く、小屋番の話好きなお兄ちゃんが、なかなか愉快。暮れるまでガスは晴れなかったが、夜には星空。

10月2日(土)

朝から快晴。餓鬼岳小屋のベンチからは、東面には、先週訪れた妙高山・火打山を左端に、浅間山・八ヶ岳・富士山・南アルプスが、雲海の上にずら~っとシルエットを並べて壮観!朝日を受けて、山腹のカンバが黄色く燃えている餓鬼岳から、西面に目を転ずると、槍穂や高瀬川を挟んだ裏銀の山々、赤牛岳稜線や奥にちらりと立山と思しきピーク、といった北アの豪華な展望が得られました。小屋から一登りの餓鬼岳山頂からは、更に360度の大展望。今日はとてもラッキーな天候回りのようです。
餓鬼岳山頂から白ザレの稜線を、周囲の展望を楽しみ、これから向かう唐沢岳への稜線の展開に期待と不安を抱きながら(唐沢岳は派生する尾根の先端の山かな、と思いきや、なかなかどうして独立峰的な立派な山容に、ややびっくり・・)進み、西餓鬼岳と尾根が分岐する所から、延々と急下降。最低鞍部から樹林帯の中を「餓鬼のコブ」にじわじわと登りあげて行く。「餓鬼のコブ」から、次第に痩せてくる稜線上を一旦下って、次の2483mピークへ。この辺りから、唐沢岳の白い花崗岩の岩峰が目の前に立ちはだかる。ザクザクとした白ザレが多くなり、岩峰の左側を回り込むようにアップダウンしながら進む。頂上稜線に向けては、岩・樹を交えて、まるで剱岳源次郎尾根下部のような登りで、一気に登ります。岩峰の端に、唐沢岳頂上の標識があった。
唐沢岳山頂は、餓鬼岳山頂よりもさらに北アの展望が開け、目の前にブナ立尾根、烏帽子岳から船窪岳へかけての不動岳をめぐる大崩壊地形や、針ノ木岳・蓮華岳の稜線、奥に鹿島槍ヶ岳、立山の隣に剱岳までも顔を見せ、いつまでもいつまでもず~っと居たいような山頂でした。
重い腰を上げ、唐沢岳山頂から往路を戻る。快晴の空も、午前も遅くなると時折ガスが去来してくる。往路に下ってきた餓鬼岳稜線の山腹は、早朝より一層、紅葉が進んだ模様で、ハイマツの中の赤い群落がより鮮やかに見えた。餓鬼岳稜線までせっせと登り返して、帰路は途中から巻き道を使って小屋に戻った。帰路途中から見る餓鬼岳北西面の岩峰も、中々の景観でした。バルタン星人みたいな「チョキ」の岩峰もあったり・・。(笑)
この日は週末とあって、流石の餓鬼岳小屋も大賑わい。唐沢岳から戻った午後、小屋番のお兄ちゃんと話しながらなど、外でまったりしていると、続々と下から到着。本棟の小屋と二つある個室棟を全部使って、収容していました。今日は個室棟に割り当てられ、これまた陽気な素泊まり4人女性部隊と同宿で楽しく本日も終了。

10月3日(日)

昨夜は星が出ていたが、今朝は雲量が増えていた。混みあう小屋の朝食を避けて、行動食・予備食利用でさっさと出発。天気はどんどん下り坂の模様で、当初は燕岳を越えて合戦尾根を下る予定だったが、東沢乗越まで縦走してそこから中房温泉に下る事にした。
稜線上は、風も強い。「ケンズリ」の岩稜帯を過ぎ、稜線の向きが変わると、ひとしきり樹林帯の中の下降。その後、再び2508mピークまで登る。これから向かう東沢岳、そこから東餓鬼岳へと派生する稜線は紅葉が鮮やかで、しばし見とれてしまいました。もう一つ岩稜帯を過ぎて東沢岳直下へ。振り返ると、餓鬼岳からの稜線は、これも紅葉で鮮やかだった。ケンズリの岩峰群も中々の景観。東沢岳直下から東沢乗越まで、鮮やかな樹林帯の中をガンガンと下降。朝には見えていた燕岳の稜線は、すっかり雲の中になっていた。
東沢乗越からは、しばらく急下降が続く。最初の沢の渡渉を過ぎるとやや斜度が緩むが、何度か沢を渡渉したり大高巻きをしたり・・。このルートは増水すると、ちょっと大変かもしれない。上流には、壊れかけた古い堰堤がいくつかあるが、下流に行くに従い新しい堰堤が次から次へと。沢沿いの樹林帯の穏やかな道が続き何となく温泉の匂いがしてくると、中房温泉の突端に辿り着いた。
有明温泉・有明荘でさっぱりして、白沢登山口まで車の回収に向かい山行終了。沢に始まり、樹林帯・岩稜帯と歩き、沢で終わる、・・バラエティに富んだ秋山を堪能できました。

◆行程:

10月1日(金)
(中房温泉に車1台デポ)→7:25白沢登山口~11:55大凪山~    15:20餓鬼岳小屋(泊)
10月2日(土)
6:30餓鬼岳小屋~6:40餓鬼岳~9:45唐沢岳~13:45餓鬼岳小屋(泊)
10月3日(日)
5:50餓鬼岳小屋~9:40東沢乗越~13:05中房温泉→(白沢登山口へ車回収)

右奥が餓鬼岳・中央がケンズリ・左奥が唐沢岳

<右奥が餓鬼岳・中央はケンズリ・左奥が唐沢岳>

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