西上州・マムシ岳

昨年12月に途中まで登って降雪のため撤退した西上州・マムシ岳へふたたび。今回は上天気で、紅葉を愛でつつ楽しく完了した。
参照文献は打田鍈一『藪岩魂』。

田中の運転でキリンテ登山口に9時過ぎに到着、路肩に駐車。
日向沢を渡って送電線巡視路でキリンテのコルへ上がり、送電鉄塔を通過、紅葉を見ながら急傾斜を登っていく。
10

間もなく現れる大岩・岩場は踏み跡やテープに従って巻いたり、あるいは正面突破。危険な箇所にはトラロープが付いており、ルート取りに迷う場面も特にない。前回に少し難しいと思った岩場もすんなりと通過してしまった。トラロープ付きの泥急斜面はできるだけ立木や根を掴んでロープに体重をかけ過ぎないよう注意して上る。岩稜、岩場、普通の斜面と交互に出てきて飽きない。
20_1100rock  1100m付近の岩場

前回は大岩の頭(キリンテの頭)基部(標高1200m)で撤退したが、今回は問題なし。ただ、基部の岩は赤ペンキの○(ペンキの付いているのはルート中この1ヵ所のみ)よりも左にしっかりしたルートがある。大岩の頭は東の三岐からボンデン山を経る尾根とのジャンクションで、昭文社「山と高原地図」(2018年版)ではそちらにも破線ルートが記載されている(2012年版ではキリンテからの破線のみ)。
緩やかになった稜線を進むとまた岩壁に突き当たる。左側に下がる古びたロープの箇所から登り、わずかでマムシ岳(1307.7m)山頂。地味な山名標が立木に取り付けてある。南側が開けており、先月に前半を辿った三国山から帖付山へのルートも眺められた。
30_mamusi  マムシ岳からの眺望

マムシ岳から西へ岩稜を辿り小岩峰を越え、小ピークへの斜面を登り、下りる。
40

『藪岩魂』には「似たような岩稜が延々と続く。いい加減飽きるころ」とある部分だが、それほどの時間もかからずに「シオジ保護林」の看板の立つマムシのコルに着いた。
ここからは保護柵の付いた遊歩道に沿って下りるが、『藪岩魂』にある通り、途中で柵は消えて沢沿いの道になる。古い石垣や朽ちかけた丸木橋があるので、かつての作業道だったのだろう。日向沢に出る直前で柵が復活。ゲンナイ登山口には「原生林自然観察路」の大看板があるが、標高差300m以上の稜線まで行って戻ってくるだけの道で「自然観察」する人がいるのだろうか。キリンテ登山口までは車道を歩いて戻った。
(文中敬称略)

<行程>
キリンテ登山口9:10~大岩の頭(キリンテの頭)10:30~マムシ岳11:00-11:25~マムシのコル12:25~ゲンナイ登山口12:50~キリンテ登山口13:30

妙義山・相馬岳北稜

相馬岳北稜は西側の妙義湖と並行して続く稜線で裏妙義の対面にあたる。尾根歩きあり、岩登りあり、ルートファインディングあり、かつ首都圏からアクセスしやすいバリエーションルートである。11月3日は晴天の特異日らしく、週末悪天候続きの最近には珍しく良いお天気だった。我々のパーティはつつがなく行動して予定より早めに下山できた。

11/2深夜、宇田川さんにメンバーをピックアップしてもらい、関越道を北上、上信越道松井田妙義ICから一般道で妙義湖の畔へ。一旦中木ダムまで行ってから取付きを探す。ダムから2本目の沢を越えた突端の尾根から取り付けそうだ。手前のスペースに駐車して出発。10分くらいで「あたご社」の標識がある。
062145あたご社

30分くらいで稜線に出た。P1らしき岩が見えるが定かではない。
064713P1
  P1
P6までは全く確信がなく、岩と岩のギャップがどこも底の見えないほど深い。コルへは懸垂でしか行けない箇所があり、また登り返しもフリーでは危険なこともあり、ここがP6とP7のコルであろうとめぼしを付ける。
084156P6懸垂点
  懸垂点
今回は4人パーティなので30mダイナミックロープ2本の装備にした。易しい箇所はFIXして二番手三番手はプルージック(または各種アッセンダー)で。難度の高いところは中間に結び目(インラインエイトノット)を作り一人ずつビレイをする、いわゆるロープウェイ方式とした。
091745P7
  P7
P7はルートが岩陰になり長さが測れないので、とりあえずロープを2本引っ張っていき様子見だ。結局30mでは足りず、2ピッチの登攀となった。
岩壁は溶岩質で石が固まった感じで、ガッチリしていると思っても触るとポロッと外れる脆い石が混ざっており、一見ではわからない。油断できないので踏むときも掴むときも用心しないといけない。また、岩壁の途中に木と土のエリアがあり、ずるずる滑って始末に悪い。P7はそんなルートで時間がかかってしまった。
P7以降は稜線の歩きで、ブッシュあり、やせ尾根ありで1時間ほど楽しませてくれる。P11で稜線行が行き詰まってしまい、東側をトラバースする。これが悪いトラバースでロープをFIXしてコルに立った。
112457P12
  P12
P12(つづみ岩)は西を大きく巻くこともできるがここは直登にした。途中に厳しい箇所があり、ロープウェイ方式で二番手三番手を上げた。20mくらいの壁で、前半は草付き、その後外傾した大岩の乗越が核心であり、古いスリングと新しい鎖がぶら下がっていた。大岩を越えればすぐにP12のピークだ。P12の山頂は北に延びており、この脆く痩せた尾根の下降も侮れない。ピークから距離にして70mほどか、行き詰まってあたりを見渡すと東側の立木に懸垂用の残置スリングが1本だけ掛かっていた。そこを下降点とするが、心許ないので1本付け足した。懸垂10mくらいで傾斜が緩むのでここを南にトラバースしていくのがルートであったが、我々はもう一段降りてしまい、登り返すこととなった。
このトラバースはカニのハサミを巻くもので手前に仙人窟が突然出てくる。東側から穴をくぐると岩壁に大きなくぼみができており、風穴の方ではなく、こちらが本当の仙人窟であろう。
131429仙人窟
  仙人窟 偽物と本物
仙人窟からは一般道に近く、わかりやすくはあるが沢登りの詰めのような急登になり、1時間半で相馬岳山頂に到達。4人の登山者が頂上にいた。
143129山頂

下山に利用した相馬岳コースは鎖場や岩尾根の登り返しが多く、暗くなると危険なため、明るいうちの通過が無難だろう。
152851のぞき穴
  のぞき穴

<覚書>
①取付きとなる北稜末端の車道カーブからP5までは歩き。
②P5の先はスッパリ切れ落ちているため、20mほど戻って西側に折れ、左に向きを変えながらP5~6のコルへクライムダウン。急なため必要なら懸垂下降。
③P6の岩溝状の登り約8m(3級)でP6の肩に達する。易しいがロープを出した方が無難だろう。
④P6の肩より裏のランペを登る(肩よりP6の直登カンテラインは登れる気がしない)。
⑤P6~7のコルへは要懸垂下降。
⑥P7の取付きは懸垂着地点より左に10m移動した立木。登攀を1ピッチで済ませたい場合は40m以上のロープが必要(出だし立木を利用して3級、途中2級、上部再び3級)。途中でピッチを切る場合でも立木(完全に当てにできるほど丈夫ではない)まで30mはある。ランナウトに慣れておく必要があるだろう。
⑦P7~P11は歩き。
⑧P11のピーク直前で左にトラバース。トラバースはロープ使用が賢明。5mほど登り返してP11とP12のコルに着く。
⑨P12(つづみ岩)はブッシュ交じりの痩せたカンテラインで一見登れなさそうに見えるがルートである(約20m。1ムーヴだが、A0:4級、フリー:5級?)。上部の外傾した岩の立ち込みは通常A0となり、フリーで越えるには技術を要する。ただし、P12を登らずにコルを乗越して懸垂下降、トラバースで西側から仙人窟へ巻き上がるルートもあるようだ。
⑩P12は狭いピーク。その先の痩せ尾根下降は両側が絶壁で見晴らしよく高度感がある。足場が脆いので緊張を強いられる。
⑪P12よりクライムダウンを交え70mほどで尾根が途切れるので、東側の立木を利用して約10m懸垂下降。
⑫見分けの付きにくいバンドらしきラインを南へトラバースしてゆくと再び尾根と合流する。
⑬尾根は高度感を失い、仙人窟のあるブリッジへ着く(ブリッジの手前をクライムダウンしてもよいし、渡った先をクライムダウンしてもよいだろう)。
⑭仙人窟より先は、ロープの使用箇所はない。
《登攀箇所の難易度順に(P12>P7>P6)》

<メンバー所感>
■宇田川
30mロープの場合、P7では早めにピッチを切る方が良いようだ。自分は1ピッチで抜けられるのではと一杯まで伸ばして足場の良くない所でビレイすることとなり、余計な時間が掛かってしまった。
P12は大岩部分が核心ではあるが岩を抜けて直ぐの草付きが悪く、草付き部分に垂れている鎖を使わせてもらった。
ロープについては、P7が2ピッチになってしまうものの、荷物を分散できることや取り回しを考えると、30m×2の選択は良かったように思える。
ロングルートで登りごたえがあり、達成感のある山行になった。
■松本
皆さんお疲れさまでした。宇田川君はリードにも安定感が増してきたと思います。
■小林功
低山でありながら短時間で岩稜帯、細尾根、あらゆるバリエーションが味わえる妙義山・相馬岳北陵は危険と昴揚感を存分に味わえ、また山が好きになる山行となった。一緒に登ったパーティーに感謝。
■田中
良いルートだった。妙義らしくコンパクトな中に登山の要素が詰め込まれており、一定の技術と体力の準備が出来てからチャレンジすると習得した技術を実践で定着できる有効なルートだと思った。

<行程>
北稜取付6:10~稜線P1 6:47~稜線P5 8:01~懸垂P6 8:22~登攀P7 9:00-10:18~登攀P12 11:24~仙人窟13:07~相馬岳14:31~のぞき穴15:28~林道16:00~北稜取付17:00

八ヶ岳・稲子岳

悪天候のため何度も行きそびれていた稲子岳にやっと行くことができた。アプローチの藪漕ぎからクライミング、帰りの高速道路の渋滞までセットで楽しめた山行だった。クライミングのシーズンは紅葉までという感じで岩場の冷たい風が身に染みた。

■10/27(土) 車中前泊
しらびそ小屋への登山道前ゲートに22時くらいに着いた。宇田川さんと19時に待ち合わせたので3時間のドライブ。浦和ICから東北道、圏央道、関越道、中部道(現在無料)で2,880円でした。安い。明日は5時起きとして一日の疲れをビールで癒した。
ゲート
ゲート前に駐車

■10/28(日) 曇りのち晴れ
予定通り行動し、6時出発、7時30分しらびそ小屋。ミドリ池越しの稲子岳が美しい。ルートがすべて見える。ちょっと信じられないくらいの急登を詰める様も如実に見えてげんなりする。
樹林帯が結構な高度まであり、岩稜帯があり、上の方の少しだけがクライミング対象の岩場だ。
しらびそから稲子岳
しらびそから稲子岳

アプローチが核心とも聞いているので、岩稜帯へのトラバース高度2,130m付近で東側に注意しながら一般道を進む。新しくできた段差のところから入れそうなので一般道を外れて樹林帯に分けいった。しらびそ小屋で前後した女の子の二人連れが怪訝な顔をして一般道を通り過ぎる。
取付への段差
取付きへの段差

半信半疑で地図とコンパスで藪こぎしているとマークが出てきた。マークに勇気付けられ、地図の等高線、コンパスと高度計で進路を計りながら、樹林帯から岩稜帯に出た。しらびそ小屋から眺めた信じられない急登が始まるわけだが得てして現場まで行くと大したことない。それでも息を切らしながら四つん這いで高度を上げ、岩場基部に到着。取付きを探す。右往左往したがトポと現場を見比べて西側へ進み、目印の黒テープと赤いハーケンを発見したのは9時。しらびそ小屋から1時間30分。上出来だ。行動食を食べ、ガチャを装備し、ロープをセットし、立木でビレイ、9時20分にクライミング開始。
1ピッチ目
1ピッチ目

1ピッチ目は一枚岩のスラブからのクラック、10mくらいでリングにスリングが残置されているビレイポイントがある。早すぎる。さらに20mでまたビレイポイントが。ネットの記録ではここなのだがもう少し行ってみよう。ロープあと3mのコールがあり、目の前5mにビレイポイントがあるのに届かない。岩角に240cmスリングでビレイポイント作り、引上げを開始した。

2ピッチ目は右にチムニー、左にクラックのルートだが、チムニーを選択。

3ピッチ目もチムニーからオープンブック。このオープンブックが核心だった。後から聞いたら左がルートとのこと。ハーケン2本打ってあるところをビレイポイントとし、バックアップはリスにカムをかませた。

4ピッチ目は垂壁頂上で15mくらい。ここも悪かったが右手アンダーがあり、一歩上がると左手ガバ、右手ガバで体を吊り上げた。

47m、20m、30m、15mとピッチの切り方がバラバラなのが反省点です。風が冷たく、ウェアがずり上がってきて背中とお腹が冷える。岩陰に逃げ込み装備解除11時16分。2時間弱のクライミングだった。

稜線を東に伝い、山頂を踏んだ。なんの特徴もなく、稜線の端の木に山名板が貼ってあるだけだが「見つけ出した!」感があり、クライミング完了時よりも感動し、おもわず、握手。
下降は最短距離で登山道に出て、2時間弱で駐車場。ここまでは順調だったが高速道路で渋滞にはまって6時間かかって帰宅した。

<行程>
ゲート前6:10~しらびそ小屋7:30~一般道から分岐8:00~取付き9:00-9:20~トップ11:16~稲子岳山頂~しらびそ小屋~ゲート前

<メンバー所感>
●宇田川
好天の中楽しく岩登りすることができた。アプローチが分かりにくいと聞いて下調べしていたお陰で取付きまで問題なく行けた。ガレている場所では落石が起こりやすく注意が必要だ。

●田中
ほぼ計画通りの行動ができたのが良かった。予想外だったことは寒さ。最初からカッパの上着を着ていたのだが風が冷たく寒い。ダウンも持っていたのでもっと長いルートだったら下に着こむのもありかと思った。カムは有効で今回はBDの0番と2番を持って行った。2番を2回使った。

奥秩父・白泰山~南天山

南アルプス深南部を予定していたが、9/30に上陸した台風24号の爪痕で林道が通行止めとなり、登山口までの深夜バスが出発前日にキャンセルに。続けて発生した台風25号を勘案し、影響の少ない奥秩父に転進した。十文字峠道を分け入り、十文字峠から三国峠を越えて滝谷山まで北上、そこから東進して南天山までのルート。結果、台風の影響は少なかったし、藪あり、岩ありで楽しいルートであった。中津川バス停から西武秩父駅に行き、温泉に浸かってご機嫌で帰路に就いた。奥秩父最高です。

■10/6(土) 曇り、樹林帯は蒸し暑い、稜線は風強し
埼玉県は東西に長い。埼玉と長野の県境を歩む旅のため、鉄道終点の三峰口駅からバスで川又まで40分、埼玉県最西端まで来た。
川又バス停にはきれいなトイレがあり、水も取れる。我々の他に下車した3名は沢ルートで柳避難小屋を目指すとのこと。我々は十文字峠道と呼ばれる尾根ルートを利用する。
十文字峠道は武州栃本関所から国境稜線を越えて信州梓山に至る。武州側は奥秩父最奥部の長大な尾根を辿る難路。古くから開かれた道で、往時は三峯参詣や善光寺詣に利用され、幕末には5基(うち4基が武州側)の里程観音が建てられた。

川又から栃本に向かう車道を20分ほど歩き、「右ハ信州道 左ハ川又ヲ経て甲○(判読不能だが甲府であろう)」とある道標から峠道へ上がるショートカットに入る(地図ではこの入口がよく判らず何度が行き来した)。峠道が林道を離れる箇所には先ほどのものと同時期の道標が倒れている。大正11年に大滝村青年団が勅諭下賜四十年紀念(年数からすると「勅諭」は明治15年の軍人勅諭)として建てたものだ。山道を10分ほど登ると両面神社に出た。三峯神社の姉妹宮だそうで狛犬はオオカミである。古来、山道の入口には山仕事や峠越えの安全を祈願する神社が置かれたといい、この道の歴史を感じる。神社から少し上がると東屋があり、そこからトラバース道が続いて林道に絡むと白泰山線登山道入口。広々しており10台程度の駐車が可能である。バス停から登山口まで2時間近くかかり結構長い。
峠道はほとんど南面のトラバース道で靴の片側が減りそうなくらいに長かった。炭焼き跡など見ながら緩やかに高度を上げ、登山道入口から1時間で一里観音。その後、12名の団体がコンビニ弁当を使っているところに出会った。高校生の集団に先生2名のように見えたがなんと東大生。ここは東大の演習林なのだった。
白泰山山頂分岐にはザックがひとつデポしてあった。我々も標高差100m登って山頂(1794.1m)へ。登りながら踏み跡が薄いと思ったら、分岐に戻る際にロストして少々時間を喰った。しっかりした道が別にあったのかもしれないが踏み跡が錯綜して分かりづらい。
1_一里観音     一里観音              白泰山山頂分岐

一里観音から2時間強かかって15時に二里観音&白泰山避難小屋。ここの「のぞき岩」は高度感がある。
3_のぞき岩のぞき岩

道なりに歩くと岩ドヤは南面を、赤沢山は北面を巻いた。赤沢山の西側に「鍾乳洞入口」の指導標があり、確かに足元には白い石灰岩が転がっているが、周囲を見渡しても洞窟は見当たらない。既に16時半、計画では十文字峠まで進む予定だったが、今夜は四里観音避難小屋に泊ることとする。三里観音を経て四里観音の小屋へ入ったのは18:40。白泰山分岐にザックを置いていた男性が先に入っていた。
小屋前に「水場2分」の札が出ているが、行ってみると沢への斜面が荒れておりかなり危ない。慎重に下りてみるが滴る程度の流れで、暗い中をその先の本流までは行けなかった。滴りを少し汲んで戻り、今夜の食事は手持ちの水で賄うことにする。尾西のご飯、ハンバーグ、卵焼き、わかめスープの食事をとり焼酎とウィスキーで疲れを癒した。

山と高原地図(昭文社)のコースタイムは栃本関所跡から四里観音避難小屋まで7時間50分。起点が異なるが我々は1時間余分に掛かっている。台風のためか根こそぎになっている倒木なども多く、ルート上にはこれが一般道?と思われるほど荒れている箇所もある。コースタイムも厳し目なので、トレースする方はスケジュールに余裕を見た方がよい。

■10/7(日) 爽快な晴れ、強風(やがて止む)
明るくなってから改めて朝食用の水汲み。昨夜より手前で道から下り、流量の多い滴り(暗い中では気づかなった)を選ぶ。ラーメンと魚肉ソーセージの朝食の後、小屋を出た。今日は長丁場、かつ、バリエーションルートにかかるので身が引き締まる。
間もなく、MTBを担いで下ってきた男性二人組に出会った。全然乗れないと言っていたが、彼らがバイクを担ぐのに使っていたベルトをアドベンチャーレースのイーストウインドに教えてあげたい。「マチマチ、担ぎ易いグッズが出てるよ!」
四里観音、栃本分岐を経て十文字峠へ。水場は小屋からカモシカ展望台の方へ下った沢で、明日までの行動と炊事分を持たなければならないので重い。
三国峠へと埼玉長野県境を辿って北上する道は十文字山(2072.1m)に上がった後、下り基調の稜線となる。台風の余波か長野側からの風が強いが、上天気なので心地よい。稜線はところどころ岩稜帯となり、立ち塞がる岩峰はまず弁慶岩、次に梓白岩が現れ、どちらも長野側を巻く。峠からここまで2時間強。地図のコースタイムは1:45で、やはり厳し目だ。シャクナゲのトンネルもあるが、さすがに一般道なので藪漕ぎにはならない。悪石の三角点(1850.0m)を通過、無線中継の巨大なアンテナ施設を横に見て三国峠にはちょうど昼に到着。オフロードバイクのライダーが一人いた。峠を挟んで長野側は里が近いのに対し埼玉側は秩父の山が深く、ここを越える林道の長野側は舗装、埼玉側はダート(砂利道)となっている。

三国峠のトイレ脇を入り、三国山(1834m)までは30分足らず。
ここからいよいよバリエーションルート。地形図を睨んで北側に伸びる尾根に少し入ると、木の幹に「←高天原 一本カラマツ→」の札が付いていた。高天原も一本カラマツも未知であるが、コンパスを合わせて「一本カラマツ」の示す北へ進む(注)。
4_三国山     三国山からの眺望         一本カラマツ分岐

赤テープは付いているが、次第にシャクナゲがうるさくなり、岩場以外は藪漕ぎとなる。シャクナゲは反発が強く体力を消耗する上に顔面をバシバシ打たれて心も折れる。Ⅱ級程度の岩場をいくつか越えて棒切ノ頭(1730m)へ。樹幹に打ち付けられた山名標を見て、それなりの距離を稼いだつもりが藪漕ぎに距離感が狂っていたことを覚り、ガックリとなる。
尾根が東に曲がっていった先の1620m地点で北に進路変更すべきところをそのまま東の尾根を下りそうになり、30分ほどもルートを探す。標石に加えて枝にテープの付いた箇所から左(北)に入るのが正解だったが、ここも藪がルートを隠していて判りにくい(だからテープを付けてある訳だが)。計画では滝谷山泊だったが既に15時、暗くなるとさらにルートロスの恐れも高まり、計画通りの前進は無理だ。行動終了目安を16時とし、この先で1500m等高線が閉じている付近にテントを張れるかと見当をつけて進む。
目標地点手前まで来ると、小ピークへの登りではなく岩壁の基部だった。15:40、これ以上進んでも適地があるか分からないので、岩の手前、やや狭いが平坦な稜線部分にテント設営。踏み跡の真上だが、この時間に通る人もいないだろう。物音に「人か?」と見ると鹿が走って行く。テントに入って落ち着き、雑炊で食事、焼酎とウイスキーで夜が更けてゆく。疲れを癒して、遅れは明日取り戻そう。

■10/8(月・祝) 霧、一時雨
予定より手前で水場もない場所に泊まったので、パンとコーヒーで節水朝食。
今日も長丁場なので薄暗いうちからスタートしたが、岩を巻いたところ(1500m等高線の閉じた内部)でいきなり迷い、20分ほどロス。何度もコンパスを確認した後、「こちらから来た」と思っていた方角に道を見つけた。大岩を巻いたことで方向感覚が狂ったのか。その先、1520mのやせ尾根では踏み跡を辿って行き詰まり、下に見えているルートへ懸垂下降。ガク沢ノ頭(1618.6m)で藪に隠れた三角点標石を確認する。
昨日と同じく岩とシャクナゲの藪漕ぎを繰り返し、出発から4時間、9:20に滝谷山(1659m)に到着してがっちり握手。ガスで眺望は無いが嬉しい。

しかし、下りのバリエーションルートは難しいという。実際その通りで、滝谷山から南天山まで基本的に尾根ルートの認識でいたところが大いに迷った。
まず、南東の尾根を下りたのは正しいのだが、踏み跡を辿って行き詰る。地形図から急な下りであることは分かっているが、南天山からの逆ルートを来た記録があるので、登り返せないほどの斜面であるはずはない。40分も右往左往した挙句、尾根を外すのは不可と敬遠していた右手(南)の谷状へ下りていく道を発見。それもすぐに踏み跡か水流跡か不明瞭になるのだが、コンパスを併用して何とか辿っていくと、谷状から尾根に戻り、方角も合ってきた。この辺り、滝谷山を巻いてしまう踏み跡も錯綜しているようだ。
ともかく方角は合っているので、時折見失いそうになる踏み跡を追っていく。途中、ついに降り出したので雨具を着け、樹林帯の倒木を潜りまた乗り越え、シャクナゲを突破し、ポキポキと折れる枯れ笹をかき分ける。延々とトラバースし、ようやく藪が切れて尾根に出たのは1562mピークの南だった。思ったほどには進んでいないし、またトラバースして東向きの尾根に乗らなければならない。
1562mの東からは尾根上を歩けるようになった。1538mの先、1470m辺りで北の尾根に引き込まれたのを修正。その後、東に直進してやせ尾根の先でまた行き詰る。方角は合っており下りられないこともないが、道と見えていたものが途切れて人の痕跡がない。ここもまた標石とテープのあった箇所まで戻ると、やせ尾根を避けてトラバースするルートが見つかった。
そこから俄然歩きやすくなり、立入禁止テープの張られた南天山沢コースの突端、1374mの西に出たのは13:40。テープは、南天山からこちら側への安易な立入を戒めるものだ。ここから山頂を踏んでいては中津川からの終バスに間に合わないため南天山は割愛。雨は止んだので雨具を脱ぎ、九十九折れとへつりの下降路を林道まで駆け下りる。しかしこの沢ルート、ナメや滝が美しいが足を滑らせたらそのまま滝へ落ち込みそうな箇所もあり、一般道としては危険な印象。

今回は登山道のない三国山~帳付山の前半を歩いた。次回は南天山を踏んでから後半を狙うことにしよう。

注:帰宅後に確認したところ、「高天原」は西の尾根の1978.8m三角点の山。「一本カラマツ」は1985年8月の日航機墜落事故の際、機が接触した稜線上の木のことらしい。この指導標自体が登山用ではなく、事故の関連現場への案内用の可能性もある。ただ、一本カラマツの位置は「三国山の北北西1.4km、標高1530m地点」との記載もあり、そうするとこの指導標の示す尾根(おおよそ北北東へ向かう)上とは思えず、よく判らない。いずれにせよ、事故関連と知っていたら手の一つも合わせておくのだった。

<行程>
10/6 川又バス停9:50~白泰山登山口11:50~一里観音12:50~白泰山14:20~白泰山避難小屋・二里観音15:00~三里観音16:50~四里観音避難小屋18:40
10/7 四里観音避難小屋6:40~十文字峠7:40-8:10~十文字山8:30~梓白岩10:10~三国峠12:00~三国山12:30-12:45~棒切ノ頭(1730m)14:10~大岩前(1530m)幕営地15:40
10/8 大岩前5:10~ガク沢ノ頭(1618.6m)6:40-6:55~滝谷山9:20-9:30~1532mピーク南11:10-11:20~南天山沢コース突端13:40~鎌倉橋14:40~中津川バス停15:20

八ヶ岳・日ノ岳中山尾根

先週の三連休は雨だったので今週は期待が高まる。前日の土曜日は雨模様なので日曜日に賭けたのが大当たり。終始晴天に恵まれた山行となった。中山尾根のルートはほぼ完ぺきにトレースしたが最後ピークに上がるところで30mくらい南のピークに出てしまい、おまけの1ピッチ追加となった。翌日、アルコール性高山病症状に襲われつつも石尊稜の偵察をし、下山路で高校登山部の連中を走って追い越して意気揚々と連休最終日の中央道の渋滞にはまった。例の小仏峠のやつ。
今回のトピックは高校登山部が多かったこと。県立船橋は40名のパーティーで行者のテン場でスパゲッティを茹でていた。下山中にすれ違ったパーティは12名の集団でうち女性が5名。登山ブーム到来か(喜)

■9/22(土)曇り
前夜発で20時に相棒・保岡さんの豪邸にお迎えに上がる。なんとなく酒臭いのはご愛嬌として首都高、中央道を経て小淵沢ICから下道に。ガラガラの道路を突き進み、八ヶ岳山荘前へ。ここからやまのこ村まではダートなので緊張が走る。車腹をすらないようにゆっくり道の凹凸を避けながら進む。駐車場が空いてますように。
幸運にも1台分のスペースがあってすんなり駐車できた。これであのつらい林道を歩かなくていいと思うとうれしくて思わずビールで乾杯。24時10分就寝。

■9/23(日)晴れ
6時起床、コンビニ弁当を食べて7時出発。北沢を2時間で赤岳鉱泉。余裕のトレッキングだが重荷が肩にのしかかる。今回の夕餉は行者小屋のおでんにつられた保岡さんの発案で「おでん」にしたので当然日本酒がつきもの。怖い先輩が1L持ってこいとのことだったので念のために焼酎も500ml追加で持ち、重量化した。最近はULブームに乗って25Lザック&ビビで軽量化の極みを実現していたので久しぶりの80Lザック&3~4テン&寝袋&ロープ&ガチャ類&酒はきつい。それでも晴天の北沢は気持ちがよく、すぐに赤岳鉱泉に着き、高速でテントを張ってから中山乗越に向かった。
1.中山乗越
中山乗越

10時10分に中山乗越2,370mをスタート。なんとなく踏み跡がある。尾根が南北に広いので南の斜面よりを登った。上では収束している。急登を詰めていくと北斜面が切れ落ちている個所があり、日ノ岳稜、石尊稜、小同心、大同心が一望できる。そこからすぐにネットでおなじみの下部岩壁取付の印象的な木々が見えてくる。
2.下部岩壁
下部岩壁

○1ピッチ目 Ⅳ 40m
下部岩壁取付の30mくらい手前の樹林帯との境目付近で行動食を食べてから装備を着け、ロープをしごいた。1Pビレイ点までコンテしたのだがロープを運ぶためにガイド巻きしたのが大失敗。岩に取り付いて2ピン目をかけたところでロープがキンクしてしまい、ロープをほぐす間、セミ状態で貼りついていた。気を取り直して登り始めて1P終了点へ。出だしの4ピン目くらいまでは悪かったがそれより上は問題なかった。今回は直登したが積雪期は右に回り込んで岩溝を左上するルートが安全と見た。
3.1P終了点
1P終了点

○2ピッチ目 Ⅲ 20m
2Pビレイ点は二つのペツル。ペツルには9mmくらいのロープスリングがかかっている。全体的にこのルートは太いロープスリングがかかっていた。大岩を直登して上の木でピッチを切った。ここも積雪期は左の草付きの斜面がよさそう。

ここからはコンテでハイマツと草付きの尾根登り。2Pをリードした保岡さんがそのままロープを2本持って歩いたがこれはよくなかった。重量と持ちにくさでバランスが難しくなったので上部岩壁手前でスタカットに切り替えた。
4.上部岩壁
上部岩壁

○3ピッチ目 Ⅳ 30m
核心部。上部岩壁手前の木でビレイ。ルンゼの直登で手足があり、快適。最後がハングしたルンゼでステミングで乗り越えた。ペツルでビレイ。

○4ピッチ目 Ⅲ 40m
ハイマツが付いた岩壁の登り。問題はない。

○5ピッチ目 Ⅲ 40m
ルンゼの階段。大岩を直登してしまったが、右に巻くのが正規ルートだと終了地点のペツルの向きをみて痛感した。そのため、セカンドを引き上げる際にロープが流れず苦労した。

○6ピッチ目 Ⅳ 40m
5.6P

5P終了点から10mくらいトラバースしてから岩壁をよじ登る。ペツルやハーケンが見当たらないので岩角でランナーを取るがすぐ外れそう(実際全部外れていた)。あと3mくらいでピークというところでロープが尽きる。カムでビレイしてビレイヤーにトラバース部分を移動してもらう。やっとピークと思いきや真のピークの30mくらい南に出てしまった。仕方がないのでエクストラピッチ。ナイフリッジをトラバースしてゴール。
6.おまけおまけの1ピッチ

日ノ岳山頂には小さな仏さまの石像があった(合掌)。
7.山頂

○下山
地蔵の頭から地蔵尾根を下降した。地蔵尾根からは中山尾根の全景が美しい。実感以上に険しく見える。
8.中山尾根全景

行者小屋には無数のダンロップV6が!かわいい女の子が自炊しているので聞いてみると県立船橋高校登山部とのこと。40名のパーティ。登山ブーム到来か。先行きが楽しみである。
9.鉱泉でビール
赤岳鉱泉に戻って

<行程>
9/23 赤岳鉱泉9:40~中山乗越10:10-10:50~下部岩壁取付11:20~1P終了点11:50~2P終了点12:20~3P終了点13:00~4P終了点13:30~5P終了点14:00~6P終了点14:30-15:30~日ノ岳15:50~地蔵の頭16:10~赤岳鉱泉17:00(テント泊)

<メンバー所感>
■保岡
時期が9月(無雪期)ということ、天候に恵まれたこともあり有意義な一日でした。核心でも4級-というところかな? 下部岩峰の一手目が一番難しかったのが記憶にあります。

■田中
中山尾根は快適だった。樹林帯の尾根歩き。岩壁のクライミング。山頂の仏さま。ベルクハイル!

前穂高岳北尾根

台風13号が太平洋沿いに変針し本州を縦断しなくなったため、嬉々として北アルプスに向かった。涸沢で快適なテント泊をし、北尾根はガスが多かったが渋滞もなく順調に登り、前穂高岳を踏んだ。

■8月9日(木) 晴れ
宇田川さんに田中、保岡の順でピックアップしてもらい、首都高、中央道を乗り継ぎ、10時、順調に沢渡に到着。駐車場代600円/日は前払い。タクシーで上高地へ。バスは1,250円、タクシーは3名ならば1,400円/人なのでタクシーを選択した。
平日にもかかわらず上高地は人出が多い。制服姿の女子学生がたくさんいた(喜)。明神、徳沢、横尾と進むにしたがって人が少なくなる。台風の影響で登山者はキャンセルが多いようだ(横尾山荘の従業員談)。
横尾山荘には安心登山勉強会の自由人「星さん」が勤務しており、エールを交換した。11月の小屋閉めまで勤めるとのことなので横尾に立ち寄った時は声をかけてあげてください。寂しがってます。
横尾から本谷橋の間でパトロールが「熊の目撃情報」を教えてくれたので注意しながら涸沢に向かう。重荷の縦走は久しぶりなのでヘロヘロになりながら涸沢に到着。テント場はガラガラだったのでヒュッテに近い場所を取って設営し、ビール、ビール、ビール! 夕食は保岡さん定番の鶏塩鍋で涸沢の夜は更けていく。酔って騒いでパトロールのおねいさんに怒られたので就寝した。

■8月10日(金) 晴れ、ガスがたなびく
3時に元気に起床し、テントをたたんで5時に予定通り出発。雪渓沿いに5.6コルに向かう。ガレている急登を小一時間登るとコルが見える。
56コル前
5.6コル手前

九十九の急登の途中で若い男女のパーティとすれ違った。以下の理由でリタイヤしたとのこと。
 1.ガスが午前中は晴れない予報
 2.12時からの雨予定が早まっていること
 3.初めてのルートなので視界が悪い中のルートファインディングは自信がない
不吉な感じを残しつつ、とりあえず5峰まで行ってみることにした。
56コル
5.6コル

5峰は稜線にハイマツ沿いの踏み跡がついている。岩稜に出るとⅡ級くらいで、尾根を外さないように注意して進む。
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5峰

4峰は奥又側、涸沢側両方に踏み跡があって迷うが、松本さん情報に従って奥又側ルートを選択する。やはりⅡ級のルートで手足を使って高度を上げる。どこまでトラバースしてどこから尾根に上がるかの判断が難しく、行ったり来たりした。
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4峰

核心の3峰。幸運なことに5、4峰ではガスっていた空が晴れている。ここはガンガン行くしかないのでロープアップした。軽量化のために50mシングルと20m補助ロープしか持ってきていない。
セカンドがインラインエイトノットで追随するので25m以内でピッチを切る、どうしても足りないときは補助ロープを使い、35mMAXにしてロープを引き戻す作戦で臨んだが、25mで十分ピッチを切れた。
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3峰

○1ピッチ目 Ⅱ 20m
3.4コルから歩き。2ピッチ目の確保点は人工物がなかったのでピナクル2か所で確保した。
○2ピッチ目 Ⅳ 25m
確保点から大岩を奥又側に巻いて登る。体が宙に出るところが怖いが左手を伸ばせばガバがある。
ランナーは古いハーケンかリング、初めて見るプルトップ状の金物。ルートは折れ曲がっており、ロープの流れが悪い。また、いろいろなルートが取れそうなので迷う。2ピッチ目の開始点直上の大岩の左あたりでピッチを切った。
○3ピッチ目 Ⅲ 20m
ルンゼを直上する。巨大なチムニー手前のハーケンが連打されているところでピッチを切った。
○4ピッチ目 Ⅳ 25m
チムニーの左側のスラブを登る。途中、悪い一枚岩があり、微妙な体重移動でバランスを移しながらクリア。
○5ピッチ目 Ⅱ コンテ
スタカットでスタートしたが、容易なルートのためコンテに切り替えて全員で進む。気が付いたら2峰の懸垂点にいた。残置スリングの束に20m補助ロープをセットし、順番に懸垂。

1.2コルから10分足らずで前穂高岳山頂に到着。山頂にいた人から賞賛を受けうれしはずかしだった。
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2峰

ここから奥穂高岳へ向かう計画だったが、吊尾根で高山病症状の出たメンバーがいたため予定をあっさり中止し、岳沢にエスケープした。

■8月11日(土・山の日)
岳沢のテントを7時に撤収し、上高地に下山。
時間があったので白骨温泉「泡の湯」によって英気を養った(混浴で)。

<行程>
8/ 9 上高地BT10:45~横尾13:20-13:40~涸沢16:40(テント泊)
8/10 涸沢5:00~5.6コル6:40-7:00~5峰7:40~3.4コル9:10-9:30~前穂高岳12:40~岳沢17:20(テント泊)
8/11 岳沢7:00~上高地BT9:00

<メンバー所感>
■保岡
荷物の重さが堪えたのか自分も岳沢の下り時に高山病になり頭が痛く注意力が低下してしまい、足首を捻ったりの満身創痍でした。今後の縦走は荷物の配分に気を付けて、混浴時だけは田中さんをみならって率先してリードしていきたいです。

■宇田川
荷物は重かったが北尾根は先輩のアドバイスもあり上手く歩けたと思う。最近お約束になりつつある高山病で今回も皆さんに迷惑をかけてしまいました。来年以降は何か対策が必要と感じてます。

■田中
重荷のクライミングは足にくるなーという感想と白骨温泉の混浴しか記憶がない。
松本さん、いつもアドバイスをいただきありがとうございます。宇田川さん、車の運転や諸支払いなどお世話をしていただいて申し訳ないです。保岡さん、鶏鍋といつも笑わせてもらってありがとう。
ベルクハイル!

つづら岩RCT

今回、チームmeatコンビは前回の二子山に続きマルチピッチクライミングのトレーニングのため、東京都西多摩郡檜原村千足のつづら岩にやってきた。青梅で40℃を記録した猛暑の中、淡々とクライミングを重ね、無事生還。帰りに立ち寄ったセブンイレブンのソフトクリームがおいしかった(特にコーンが香ばしい!)。

保岡さんを拾って中央道を八王子ICで降り、2時間30分で千足に到着した。ここから1時間のアプローチ。樹林帯は日差しが遮られ、時折涼しい風が吹き抜ける。しかし、気温と湿度が高く、大汗をかいた。8時30分から登り始め、天狗滝、綾滝を通過し、9時30分には岩場に到着。水を飲んだりハーネスを着けたりして10時から登り始め、15時に終了。

■右クラック Ⅳ
慰霊碑の真下からアプローチする。クラック沿いに登る。ハングしている下のポイントに無念が漂う残置カムがあり、ありがたく利用させてもらう。ハングを越したところの1P目の終了点手前が悪かった。20mくらいだがしっかりしたテラスがあり、練習のためピッチを切った。
2P目は一段登ったところの大岩を抱くように回り込み、手足が少ないところをずり上がる。10mで終了点。あまりにも短いので5m上まで無理やり登って終了とする。
1

■一般ルート Ⅳ
何度も登っているがなんとなく怖いルート。取付が難しく、ここがⅣのような感じだ。一段登れると両手にガバがある。レイバック気味でよじ登ると階段状の場所に出てホッとする。
トラバースまでの道のりは左右どちらでも行けそうで迷う。右上した。トラバースの段は上段か下段か迷う。上段を使った。トラバースを越えてピッチを切る。ここからは最後の5mのクラックライン。終了点に乗り越すところが核心のⅤ。右半身になり、足とお尻でスメアリング気味に体を上げて上のガバを取る。
3

■左ルート Ⅳ
一般ルート取付から5mくらい下がったところにあるクラックから取り付く。レイバック気味に上がってから体を外に出し、両手ガバにぶら下がってよいしょと体を上げる。左側の木に向かって手足がありそうなラインを登り、木の下でピッチを切る。2P目は木の下から一端右に体を出してから左上する。右上は難度が高い。15mくらいで一般ルートの左側に終了点の残置スリングあり。
4

<メンバー所感>
■保岡
都心は37度の猛暑、3ルートとも集中していたせいか暑さは気にならなかった。
ルートはほとんどⅣとⅤ、僕らには丁度良く有意義な一日でした。

■田中
充実した3本のトレーニングだった。下りのとき、小天狗で滝行をしている家族がいた。娘の濡れた白装束に心が乱された。修行が必要なのは、そう、わたくしです。

川乗山~武甲山/夜間歩行・ビバーク訓練

通例のカモシカ山行(夜間歩行)では夜通し歩くが、今回は奥多摩から秩父へ抜けるルート上でフォーキャストビバーク(予定の上のビバーク)と組み合わせ、ツェルトでの山中泊とした。

【行動記録】
■6/16(土)降ったり止んだりの小雨
JR青梅線川井駅 11:40集合、12:00発。出発時は曇り空だったが間もなく降り始め、歩道上で雨具を着ける。
赤杭尾根取付(12:30)~ズマド山(13:40、山腹通過)~赤杭山(15:10)~曲ヶ谷北峰(17:30)~川乗山(17:40)~踊平(18:30)~日向沢ノ峰(19:10)~仁田山(20:30)~有間峠(21:00)~林道の間の尾根の1200m小ピーク(21:40)
メンバの疲労度と先の地形から、ここでのビバークを決定。リーダーのツェルトで休憩して体を温めてから各自にツェルト設営した。井上とゲストのツェルト張りはリーダーがバックアップ。
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■6/17(日)降ったり止んだりの小雨
簡単な朝食を摂り、5:40出発。
タタラノ頭(6:15)~橋小屋ノ頭(「有間山(橋小屋の頭)」の山名標がある、6:50)~滝入ノ頭(昭文社地図では滝ノ入頭、7:50)~鳥首峠(8:40)~ウノタワ(9:40)~大持山(10:30)~小持山(11:10)~シラジクボ(11:50)~武甲山(12:30)~一の鳥居(14:20)
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【記録者所感】
◆夜間歩行
先頭を歩かせて貰ったがルートファインディングが難しかった。地図とコンパスで方角を確認するものの道を見つけられないことが度々あった。
特に雨が強くなった後は、疲労と体が冷えたことで体力的にも辛くなり、滑って転んだり集中力が落ちていた。
夜も眠れなかったため、翌日は睡魔に襲われて、歩きながら寝ている時が何度かあった。

◆ビバーク
ツェルトを張るのは初めてであったが、全面的にバックアップしていただき、とてもよく張れたようだ。
軽量化のため、銀マットとGoreTexシュラフカバー+サバイバルヴィヴィを試した。私には寒さが厳しかった。次回はエアーマットを持参したい。

◆読図
目的地の合わせ方が適当でないことがある。スキルがまだ十分ではないと感じた。
道迷いをしそうな場所を地図上で事前にチェックし、現地で注意できるように、と教えて頂いた。心掛けたい。

◆歩き方(下り)
個人的に下りが苦手であり、早く歩けない。指の根本に重心を置くコツを教えていただいた。
加えて丹田と体幹を意識して歩くことを心掛けることで安定した歩行ができた。早くは歩けないが少しずつでも正しい歩き方で体を作り、転ばずに安定してそれなりの速さで歩けるようにと努力したい。

厳しい2日間でしたが、雨の中でのツェルト張りや夜間歩行時に先頭を歩くことの難しさを経験でき、大変勉強になりました。
天候は2日目も降ったり止んだりでスッキリ雨が上がらず秩父の山並みはほとんど見ることができなかったが、霧雨の森はとても幻想的でマイナスイオンたっぷりの非常に気持ちの落ち着く山歩きでした。

【SL追記】
・状況が許せば大持山付近まで前進してビバークする計画だったが、上記の通り、有間峠から少し登った地点で泊。夜が明けてから歩いてみると尾根が細い箇所もあり、たとえ時間があっても未経験者には夜間の前進は難しかったかもしれない。
・橋小屋ノ頭を過ぎて、昭文社地図にあるヤシンタイノ頭(1100m)は気づかずに通過。ルート上のただのコブで、意識せずに道を辿っていると見落としてしまうらしい。
・その代わりでもないが、滝入ノ頭との間に「しょうじくぼの頭」の標識があり、「三十三尋の滝を経て白岩へ」の古い指導標が立っている。地形図にも昭文社地図にも道はなく、廃道の模様。

二子山中央稜/マルチピッチクライミング

今回、チームmeatはマルチピッチクライミングのトレーニングのため、前回の三ツ峠に続き埼玉県小鹿野町の二子山にやってきた。いきなり取付を見過ごして1時間くらいロスしてしまった。多少の渋滞はあったがその後は順調にピッチを重ね、無事終了点に到達した。

***

保岡さん、宇田川さんをピックアップし、東北道、圏央道、関越道を乗り継ぎ、順調に国道299号へ。民宿「登人」の裏の林道を入り、ほどなく駐車スペースに到着。6台くらいのスペースに先行者が3台いた。登山口で登山者数を数えるためのカウンターを押し入山した。10分足らずで股峠に出る。
股峠

進行方向左が東岳、右が西岳。西岳中央稜は一般道の裏側の南面なので峠を乗越して南斜面を回り込む。踏み跡を辿ると「ローソク岩」への案内板があり、北上する。ローソク岩の前に赤いドラム缶があり、それにひかれて西方向に踏み跡を辿ってしまった。これが大間違いで二子山の西の端まで行ってしまい、どの岩にも登らずに頂上を踏みそうになった。終わってしまう。取って返してローソク岩の東側を辿ると、また赤いドラム缶を発見。こちらが正解だった。
ドラム缶

1時間ほどロスして9:30過ぎに取付に到着した。2組が待機中でわれわれもロープをほぐしながら順番を待った。ひとつ前のパーティが東京雲稜会の方たちで入会3年目とのこと。このパーティは4ピッチまで背中が見えていた。

■1ピッチ目(Ⅲ~Ⅳ+)25m
10:30くらいに取付いた。1か所ハングしているところがあり、ここがⅣ+の個所だろう。
1ピッチ目

クラックをホールドし体を外に出して向かって右側の壁を蹴って乗越した。さらに右側にトラバースして終了点にビレイ。2ピッチ目のビレイポイントにペツルが二つ。右側のテラスにペツルが一つ。テラスは5~6名立てるほど広く、前の組に断ってセカンドを上げた。
2ピッチ目確保点
2ピッチ目確保点.jpg

■2ピッチ目(Ⅴ-)20m
ビレイ点の直上のカンテを回り込んで登る。終了点前で右上して終了点の右側に出ないと終了点直下で行き詰まる。終了点は3名がギリギリの狭さ。3ピッチ目のビレイポイントにペツルが二つ。他に待機場所にペツルが二つあった。
2ピッチ目

■3ピッチ目(Ⅴ)核心部40m
クラック沿いにレイバックでじりじり高度を上げる。上部の屈曲している個所に足がなく、レイバックからのステミングでしびれた。詰めは力ずくでガシガシ上った。
3ピッチ目の終了点は大テラスでここから懸垂で下りることができる。お弁当を食べてくつろいだ。
3ピッチ目

■4ピッチ目(Ⅳ-)25m
向かって右側に回り込み、取り付く。ハングの乗越が核心だがホールドが豊富なので難しくない。
終了点は大テラス並みの広さ。

■5ピッチ目(Ⅲ~Ⅳ-)30m
出だしが難しい。右から左へのトラバースだが上の段はハングしているので支点を取ってから一段下がって移動する。カンテ上を上昇する。終了点は3名ほどの狭さ。
5ピッチ目

■6ピッチ目(Ⅲ)40m
ほぼ歩きです。いちおうビレイした。

■7ピッチ目(Ⅱ~Ⅲ)30m
歩きです。コンテで頂上まで。15:30終了。
7ピッチ目

頂上から股峠に下山するルートは一般コースとは思えないほどの悪路だった。Ⅲくらいのクライムダウンでロープがほしくなった。ボルトがたくさん打ってあり、何かと思ったが岩場の入り口に看板があった。
「みんなが文句を言うから鎖は全部外した。by 鎖管理者」
やりすぎではないかな。

16:00に駐車スペース。途中休憩や関越の渋滞などをはさみながら20:00に亀有。
そのまま反省会に突入し、200円ビールで200円日本酒を痛飲し、意識を失った。

<メンバー所感>
■保岡
折伏なんて難しい漢字使わないように!(踵を痛めていたので亀有の帰りは息子に車で迎えにきてもらいました)
個人的には2ピッチ目の上部でルートを逆にいってしまい皆さんに迷惑をおかけした事が一番の反省点です
自分の上がる方向をトポ等でイメージして一手一手慎重に登っていかなければいけないと痛感いたしました。
余談ですが水分補給時にはカラビナ付きプラティパスは使えると確信しました。

■宇田川
全体的に支点も整備されていて登り易かったが足が決まりにくい箇所が多々あった。
石が濡れている時などは難しくなりそうだなと感じた。
下調べ不足もあり取付き点を逃してしまった。次回からアプローチの下調べはもう少し丁寧に行おうと思う。

■田中
渋滞で待機した以外はスムースに行動できた。3時起きだったので眠かった。水は500mlでは足りない。1Lは必要だった。
保岡さん、宇田川さん、反省会の後に駅前で日蓮上人を崇拝している女性に折伏されました。みなさんは大丈夫でしたか。

三ツ峠/マルチピッチクライミング

今回、チームmeat(チキン抜き)(注)は北アルプス大荒れの猪熊情報を受け、日本海にほど近い白馬から太平洋側の三ツ峠に大転進した。白馬に行った知り合いからは暴風雪の情報が入り、2日間好天だった三ツ峠への転進は大成功。岩場はさほど渋滞もなく、よいトレーニングになった。

■5/4
5:40東武伊勢崎線小菅駅前集合。保岡さんの運転で途中休憩などしながら8:00に「西湖キャンプ場」に到着。GW後半2日目なのでキャンプ場は大混雑。なぜか犬が2匹だけいる巨大なコールマンテントの裏にお犬様より小規模なテントを張らせてもらった。人間はひとり1,000円、車代は無しのキャンプ場なので三ツ峠のときはお勧めです。
9:30に三ツ峠登山口に着いた。1時間弱で三ツ峠山荘、11:00には岩場に取り付いていた。三つ峠全景
三ツ峠全景

2日間で「亀ルート」、「中央カンテ」、「一般ルート」をやる計画とした。しかし、昨日が雨だったので岩場からは水が滴っていてよろしくない。「亀ルート」はびしょびしょだったので第一バンドをトラバースして「中央カンテ」に取り付いた。亀ルート取付2
亀ルート取付 / 中央カンテ2ピッチ目

第一バンドから1ピッチ目は階段状からクラックに入る見た目より難しいルートだった。手足を突っ張りながら体をずり上げる。2ピッチ目は凹角に入らずカンテを使ってフェースを直上すると登りやすい。一度空中に体を出し、ハングを一登りすると第三バンドに出る。中央カンテ終了点
中央カンテ終了点

第三バンドの下降点から50mロープを2本つないで第一バンドまでぎりぎり下りられる。中央カンテ下降1ピッチ目
中央カンテ下降1ピッチ目

登山道までもう一度懸垂下降して、「亀ルート」下まで戻り、登山道から第一バンドの間にトップロープを張り、数本練習をして本日は終了。

西湖畔に「いずみの湯」という浴場があり、800円也。露天風呂やサウナがあり充実している。
テントの横にたまたまベンチとテーブルがあり、湖畔の風に吹かれながらお食事をした。肌寒くなってからテントに潜り込んで2回戦。心にうつりゆくよしなしごとを語り合った。

■5/5
9:00には岩場に取り付いていた。「一般ルート」で第一バンド、「ジャムトースト」で第二バンド、「No.16クラック」で第三バンド、「No.18クラック」で天狗の踊り場。
「一般ルート」は20mの垂壁でホールドとスタンスを慎重に拾った。直上のペツルボルトがゆるゆるだったため、2mくらい先の懸垂用の巨大アンカーからメインロープを伸ばして確保点を作った。
Ⅴ以上は手に余るので第一バンドを右にトラバースしてⅢの「サンドイッチ」を狙った。取付からやたら難しく、途中のクラックもハングしていて必死のステミング。どうも様子がおかしいので確認したところ、このルートはⅤの「ジャムトースト」だったようだ。
その後のルートは支障なく通過して天狗の踊場へ。富士山を囲む周りの風景が絶景だ。懸垂3ピッチで登山道に下りた。

<メンバー所感>
■保岡
全ては高度感に圧倒された!の一言につきます。それにリード時は落ちられないプレッシャーが重なり、冷静な判断ができませんでした。また、下降時のロープの取り扱い、ロープ回収時の注意点、登る以上に下降の注意点が多かった為、次回の課題にしていけたらと思いました。

■宇田川
前回三ツ峠に来たときは雨のためほとんど登れず、今回ほぼ初見であったルートは難しくもあり面白くもあり楽しませて頂いた。全体的に時間が掛かってしまっているので、次の行動を予測しロープの運びを考えるなどスピードアップを図って行きたいと思う。

■田中
ルートファインディングと支点作成に時間がかかった。登り口を見られるようにメインロープで支点を作るところが多かったので手順の練習にはなった。スピードアップが課題。登攀に関してはいまだし。
スタンスの選び方がへたで楽に登れるところを苦労しているように感じる。オブザベをもっと慎重にするべき。
保岡さん、宇田川さん、GWの後楽キャンプみたいで楽しかったです。保岡さん、運転ありがとう。

<注>
チームmeat:本科32~35期でよく山行を共にする4名から成る。チキンに始まり、各人がビーフなどお肉をソウルネーム(?)とする。